venvの環境移行方法

Rasberry piに既存の環境を移す等、作成したPythonの環境を他のPCに移したいという需要はよくあると思います。
1台目も2台目もオンラインPCの場合はライブラリを"requirements.txt"に書いて、"pip install -r requirements.txt"でインストールするのが最も簡単です。
一方、プロキシ等の関係で、オンラインで構築した環境をオフラインに移したい場合はなかなかありません。
一番簡単に思いつくのはvenvで作成した環境をそのままコピーすることですが、その場合コピーした環境はコピー元のパス等を参照するので、他のPCに移すと仮想環境内のpipで入れたライブラリを見るのではなく、デフォルトのpipで入れたライブラリを参照します。
そのため、仮想環境内のnumpy等のライブラリを参照してくれません。


調査したところ、環境に移す手法はネット上にいろいろとありますが、オフライン環境への移行の場合かつ日本語で有用なのは以下の2つしか見つかりませんでした。
オフライン環境: pipでファイルからpythonパッケージインストール - Qiita
https://dk521123.hatenablog.com/entry/2021/07/10/164833

venvの環境をコピーするのは以下?
https://www.hinomaruc.com/venv-activate-not-changing-python-path/

ただし、私の環境ではLinuxOSのバージョンの違いやwhlファイルのバージョンをすべて変更する必要があるなどが原因でどの方法もうまくいきませんでした。
なので、もう少し簡単にできないかを実験してみました。

目的
 オンラインで作成した仮想環境をもう一つのほうにコピーする

環境準備

今回はもう1つのPCを用意できなかったので、wsl内 (OS: Ubuntu) に2つの仮想環境を作ります。
そして、1つをオンラインの1台目PC (以下、オンラインPC環境) と、もう1つをオフラインの2台目PC (以下、オフラインPC環境) とし、移行したときにオフラインPC環境が元のオンラインPC環境のパスを参照していないかを確認します。

まず、オンラインPC環境として"test_ori"、オフラインPC環境として"test_1"を作成します。bashの実行場所はvirtual_env/下です。以降は基本的にこのディレクトリから動きません。

$ python3 -m venv test_ori
$ python3 -m venv test_1
wsl内に作成した2つの仮想環境

次にオンラインPC環境に入って、ライブラリ (numpyとopencv) をインストールします。

$ source test_ori/bin/activate
$ pip install numpy opencv-python
仮想環境にインストールしたライブラリ

VSCodeでフォルダを見てみると、"test_ori"の方には"lib64/python3.8/site-packages"の下に"numpy"や"cv2"といったものができています。
一方、"test_1"の方には何も入れていないので"lib64/python3.8/site-packages"の下に"numpy"や"cv2"といったものはできていません。

ライブラリがインストールされているかを確認するため、"pip list"コマンドでも確認してみます。

test_oriの環境を確認
$ source test_ori/bin/activate
$ pip list

Package       Version 
------------- --------
numpy         1.24.4  
opencv-python 4.8.0.76
pip           20.0.2  
pkg-resources 0.0.0   
setuptools    44.0.0
test_1の環境を確認
$ source test_1/bin/activate
$ pip list

Package       Version
------------- -------
pip           20.0.2 
pkg-resources 0.0.0  
setuptools    44.0.0

ライブラリがインストールされていることが確認されました。

環境のコピー方法

仮想環境を作成した時点でpipとpythonのパスはそれぞれ仮想環境内のパスへと通っているので、"lib64/python3.8/site-packages"内のやつを移したらいいのでは?、と考えて移してみました。
単純に、"test_ori”内の"lib64/python3.8/site-packages"を、"test_1”内の"lib64/python3.8/site-packages"へとコピーしただけです。

コピー後

単純にすべてコピーしたので、同じフォルダは" copy"とついています。意味はないですが、面倒なので消していないだけです。
この状態で"pip list"と"import"を試してみます。

test_1で確認
$ source test_ori/bin/activate
$ pip list

Package       Version 
------------- --------
numpy         1.24.4  
opencv-python 4.8.0.76
pip           20.0.2  
pkg-resources 0.0.0   
setuptools    44.0.0  
$ python
>>> import numpy
>>> (エラーが表示されずに実行できることを確認)

test_1に環境がコピーできて、実行も問題なさそうです。
仮想環境のフォルダ毎コピーするとパスが通らないという問題がありましたが、このように先に仮想環境を作ってその中のライブラリフォルダを更新することで、オフラインPC環境移行が可能になりました。

その他

"仮想環境/share"の中にwhlファイルがあって、これをうまく使えれば別の方法でオフライン環境に移行することができるかもしれません。
ただ、現状ではshare内のものは作成時の状況を反映しているらしく、新しくインストールしたnumpyやopencvは反映されていませんでした...
現在のライブラリをshare内に反映する、みたいなコマンドがあればいけるかもしれませんね。

そもそも、このshareフォルダ内のやつは何か意味があるんだろうか...

PytorchでDeepLeaning実装 ~クラス分類1~

ここ最近、AIによる技術の進化が激しく、深層学習も非常にトレンディーになってます。
リアルな画像生成や人物認識、姿勢推定によるスポーツ指導への応用等々...

私もニュースを見て非常に興味が出てきたので、個人でプログラミングによる深層学習を学んでそれをアウトプットしていきたいと思います。

深層学習を始めるにあたって

まずは、定義等の確認から。深層学習とは機械学習の一部です。
昔の機械学習といえば、情報を人間が取捨選択して、それを機械 (プログラム) で学習するのが一般的でした。
例えば、画像から犬と猫を認識したい場合は耳や口といった部分を切り取って、機械に入力し、その違いを学習させます。
しかし、この方法では人間が選択する必要があるので非常に面倒です。

そこで、画像の特徴量 (何をもって猫とするか犬とするかといった判断基準) も機械に学習させるのが深層学習です。
深層学習では畳み込みニューラルネットワークが用いられ、畳み込み演算等を何度も行うことで特徴量抽出を行い、クラス分類や物体検出を行います。
私もいまだに理解できていない部分が多いですが、画像処理でいうところのエッジ抽出や膨張処理、
ノイズ処理みたいなことを何度も行い、猫っぽい特徴や犬っぽい特徴を抽出するといったイメージでしょうか?

簡単に説明しましたが、理論は自分で勉強したほうが正確ですし理解も早いので、本やweb等で勉強するのがいいと思います。
一般的な深層学習の勉強はこちらの本がおススメです。


ただし、この本の1は非常に勉強になったのですが、3の購入は正直あまりお勧めしません (2は未購入) 。

3は深層学習で用いるフレームワークを自分で一から実装するというテーマなので、アルゴリズム等のより深い理解には役立ちますが、実践的な力を身に着けるには不向きだからです。
クラス分類や物体検出等のプログラムを動かしてみたいなら、1で基礎を勉強した後に参考書等やwebにあるソースコードを参考にすると実践的な力が身につくと思います。

準備

まず個人で深層学習をやるにあたって、準備するべきことやものは以下の通りです。

  1. プログラミング環境
  2. GPU
  3. 知識
  4. 学習がうまくいかなくてもめげない根性

プログラミング環境

深層学習の実装自体はC++とかの言語でも可能なようですが、フレームワークの選択肢・困ったときの情報量の多さ・
実装がweb上にあふれている、という理由でPythonがいいと思います。
私は基本的にVSCode+WSLを用いて実装し、画像等を手軽に見たいときはAnacondaでも実装しております。
VSCodeのほうが処理が早い (気がする) ので、おススメはVSCodeです。

また、Pythonの深層学習フレームワークはたくさんあります。
GitHubなんかを見てると主に使われるのは、PyTorch・Tensorflow・scikit-learnの3つでしょうか?
それぞれの"超"個人的な感想は以下の通りです。

・PyTorch
・Tensorflow
  • PyTorch以上にGitHubでよく見るフレームワーク
  • グラフやネットワークが可視化できるため、非常に理解しやすい
・scikit-learn

私はPyTorchしか勉強していないのですが、チュートリアルや関数の説明が豊富にあるので、初心者はとりあえずPyTorchを勉強するのがいいと思います。
(実は最初はChainerを勉強していたのですが、アップデートの終了とPyTorchへの移行のため、仕方なくPyTorchを勉強した苦い経験あり)

GPU

計算高速化のためには必須です。
PCを理解していない私のようなものには判断が難しいのですが、家電量販店等で表示されているものはあくまで画像出力用であり、深層学習に使えるものではないらしいです。
新しくPCを購入する場合は、VRAM (GPUのメモリ) がきちんと記載されているやつを購入しましょう。
VRAMはあればあるほど安心ですが、最低でも4GBくらいは欲しいです。
PCでゲームをやる場合もぬるぬる動いてくれるので、深層学習への熱意を失っても無駄にはならないような気がします。

お金等の問題で購入できない場合は、Google Colabを使うのがよいでしょう。
Googleさんが提供している基本無料かつ個人でGPU使用が可能なものです。
ただし、一定時間ごとにログインしているか確認されるうえ、性能はランダムなようなので、使い勝手はよくないです。
私は、6時間の計算が4時間で中断された経験から、PC購入を決意しました。

知識

わからないことは調べましょう。大抵のことはネットで解決できます。
ただし、ちゃんとした基本を身に着けるという意味でも、基礎本は1冊ほしいです。
PyTorch実装場合は、この本が詳しい実装が載っているのでお勧めです。

論文実装の場合はGitHubのISSUEやREADMEを見ることになると思うので、英語も怖がらずに読む・翻訳する勇気が必要です

学習がうまくいかなくてもめげない根性

わりと重要です。覚えているだけでも、バッチサイズを1にしたために学習がうまくいかない (25敗)、
ネットワーク途中の出力数を間違えてうまくいかない (5敗) 、GPUメモリが足らずに途中で学習が中断する (12敗) 、
そもそもGPUメモリが足りなくて学習自体ができない (8敗)
PyTorch等のバージョンが違うため変更を要する (6敗)、等々うまくいかないことは多いです。
何かしら目的をもって勉強していると思うので、失敗してもめげずに頑張りましょう。

クラス分類の実装

今回は、Python+PyTorchを用いて、PyTorchのクラス分類チュートリアルを行いました。

PyTorchチュートリアル (英語)
pytorch.org


チュートリアルを参考に自分で実装したプログラムはGitHubへとアップロードしました。
GitHub初心者なので不安ですが、多分下記のやつをコピペで動くと思います。
github.com

特に変更するべきは79行目の
for epoch in range(10000):
です。
過学習するかを確認するため、こんなに大きなエポック数にしておりますが、100くらいで十分です。
このチュートリアルではThe cifar10と呼ばれる10クラス (飛行機、車、鳥等) 分類を学習し、
テストデータに対して各クラスどのくらいの精度で分類できたかを出力します。
おおよそですが、100エポックの場合は全クラス平均60%くらいの精度で分類できます。

ソースコードの詳しい説明は次回

大逆転裁判1_レビュー・感想

今回のレビューは
大逆転裁判1」です。
大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟- | CAPCOM


Steamで大逆転裁判1&2がセールだったので購入しました。
世界観も一新されており、数か月周期くらいでセールで安くなることがあるので、気になったら買ってみるのをオススメします。

概要・評価点・不満点・総合評価の順で見ていきたいと思います(ネタバレあり)。
ちなみに私は1~4と逆転検事1・2をプレイしたことがありますが、逆転裁判5、6は未プレイです。

概要

・ストーリー

日本とイギリスが同盟を結んだばかりの大事な時期に主人公・成歩堂龍乃介は帝都勇盟大学の教授ワトソン氏殺害の罪で起訴されてしまう。友人の亜双義一真や法務助手・御琴羽寿沙都の活躍により、無罪を勝ち取ることはできたが、それはロンドンの巨大な闇へとつながる序章に過ぎなかった…
明治時代のロンドンと日本を舞台にした法廷逆転ミステリー!

・基本システム

探偵パートでは様々な場所で話を聞き、証拠を集めていく。なんとあのシャーロックホームズも登場し、推理を披露することがあるが、所々抜けているところがあるので、共同推理によって修正し、隠された真実にたどり着こう!
法廷では証言を聞き、その矛盾に証拠を突き付けることで論破し、事件の真相を暴いていく。
ロンドンが舞台の法廷では、時として6人の陪審員を説得しなければならない。お互いの矛盾する主張をぶつけ合うことで、新たな真相を明らかにしよう!

評価点

・ストーリー

綿密に寝られた伏線や意外なストーリー展開、味のある登場人物等、間違いなく面白いと思います。

・登場人物

個人的に前シリーズにいたおばちゃんとかのキャラが好きになれず、不快感を感じることもありましたが、今回は不快なだけのキャラはおらず、有能な人や一癖も二癖もある人が多く、悪役含めてみんな好きになれそうです。

・システム

自動でストーリ機能がそなわっており、謎解きが苦手とかストーリーだけを楽しみたいという人にもおすすめです。基本的にはノベルゲームに近いとは思いますが、そこはシリーズ化されている逆転裁判。予想できない展開が多く、ストーリーを見ているだけでも十分楽しめると思います。

悪かった点・微妙な点

・ストーリー

1だけで完結しない
必ずしも悪いことではないのですが、大きい謎は2に持ち越しになります。発売当時はAmazonレビュー等が大荒れになっていました…
また、大逆転裁判1&2のストーリーを前編・中編・後編で分けたとしたら、大逆転裁判1は前編のみです。事件、犯人、トリック、どれも小粒なものしか出されず、伏線をばらまくばかりといった感じです。私は1&2をセールで買ったので問題ありませんが、これをフルプライスで買った人は怒ってもしょうがないと思います。

ストーリが予想できてしまう
全部ではないのですが、証拠から展開が予想できることが多いです。予想しやすすぎて、登場人物の無能っぷりが前シリーズよりもいっそう感じられます。その話さっきしてたのに、もう忘れたのか?

一部のストーリー展開
明らかにおかしな状況でも、検事や陪審員は噓つきの証人のいうことでも100%信じ、こっちは被告人に理不尽な状況の立証すらも求められるという理不尽をいつも以上に感じました。いつものシリーズは一見完璧な証言と証拠が検事側に出そろっていて、その矛盾をついて大逆転するという醍醐味があったと思うのですが…
大人になって細かい点が気になるようになっただけですかね?

ブレイクモーション
正式名称はわかりませんが、証人や真犯人が負けを認めたとき、ブレイクモーションという面白モーションが発生しますが、3Dになったせいか昔よりも派手なものが少なく、単純になってます。あと、ブレイクモーション後の憔悴しきった面白い姿もあまり見られず、
そこは残念でした。

・システム

(要望) オートでもテキスト早送りできるようにしてほしい。

総合評価

点数:10点中7点
不満点はあれど、いつもの逆転裁判という感じでした。2は非常に評判も良く、今までの伏線も全部回収されると思うので、期待しながらプレイしたいと思います

アキバズビート_レビュー・感想

今回のレビューは
「アキバズビート 」です。
akibas.jp

大分昔に入手したゲームですが、最近やり始めました。ただし、クリア前にソフトが落ちて、進めるのが嫌になったので、そこまでのレビューです。

概要・評価点・不満点・総合評価の順で見ていきたいと思います(ネタバレあり)。

概要

・ストーリー

舞台は名前の通り秋葉原。主人公・立花アサヒは働くことが嫌なニート
ある日、友人の藍原ミズキと待ち合わせに秋葉原に行くと、いつもと町の様子が違う。
戸惑っているところに表れたのは、謎の生物・ぴんくんと少女・星野サキ。どうやら誰かの「昔の秋葉に戻ってほしい」という妄想によって現実が侵食されてしまったらしい。そしてこの異変を察知できるのは限られた人々のみ…。アサヒはサキと共に妄想となった原因、妄想宮の主を倒すことで異変を解決する。

しかし、迷宮を攻略し安心したのも束の間、同じ日曜日が永遠と繰り返される新たな異変が発生するのだった…

・基本システム

普通のRPGアクションゲームです。秋葉原でサブクエストやメインストーリーをこなし、妄想宮 (ダンジョン) の中でモンスターを倒します。いわゆる必殺技みたいなのはありませんが、イマジンフィールドと呼ばれる強化モードを用いて、強敵やボスと戦います。

評価点

・ストーリー

敵である秋葉原自警団の秘密や家電量販店の経営者の話など、一部のストーリー展開は虚を突かれる展開もあり面白かったです。

・戦闘

戦闘で強力なスキル攻撃を使うためにはSPが必要ですが、通常攻撃やアイテムですぐに回復できます。いろんなスキルをガンガンつかえるのは良いシステムですね。

・その他

イマジンモードで流れる曲が割と多く、OPもいいと思います。

悪かった点・微妙な点

・戦闘

消費アイテムは普通なのですが、装備の値段が非常に高く、戦闘で手に入るお金に対して少なすぎます。金銀などのアイテムを売るのが推奨だと思うのですが、決められた場所に向かうだけの退屈なサイドストーリーを進めるか、レアモンスターから手に入れるしかありません。戦闘の旨味は経験値だけですが、戦闘システムもつまらないです。
ボスやザコ敵は非常に硬いです。特に、こちらのスキル攻撃が1回に100出せるかに対して、ボスは平気で2万もの体力を持ちます。序盤のイマジンフィールドは存在意義を疑うレベルで弱く、ボスは体力によって新しい技を繰り出してくることもないので、ボタン連打の単調な戦闘になりやすいです。一方、後半のボスはオリジナルのスキルや必殺技を使うようになり、起き上がりハメになることも多々あります(起き上がり時や復活時の無敵時間とかはありません)。敵はカッコいい必殺技を使ってくるのにこちらは画面が見にくいイマジンフィールドで単調に戦うしかないです。(調べてみたらEXスキルというのがあるらしいですね…。高レベルでないと取得できないようですが)
そのほかにも、移動の独特さ(L1を押しながらでないと自由に動けない)やスキルやアイテム使用の利便性の悪さ、キャラ強化に(おそらく)必須なカードの集め方等々、もうあと一歩のツメが欲しいなあと思いました。

・ストーリー

評価点で挙げたように、一部の展開は面白いと思います。ただ、そこにたどり着くまでの退屈な展開や理解しがたい展開が多かったです。

・妄想することは悪いことなのか?というテーマ
ゲームの中では妄想が現実を侵食しております。こんな町がいいとか、日本一のアイドルになりたいとかの妄想が現実になります。主人公は妄想宮の主を倒して、現実を侵食している妄想を破壊しますが、途中で「妄想を破壊するのは良いことなのか?」と思い始めます。そこで、妄想の破壊を目的とする秋葉原自警団と対峙することになります。ただ、主人公たちは妄想の主と話し合うことをしながらも、妄想を破壊してきたわけですし、秋葉原自警団も決して悪い奴らではなさそうな感じなので、なあなあというかその場しのぎで話が進んでいるような印象を受けました。しかも、途中から妄想を破壊する、というテーマはなくなり、妄想を支配して自由な世界を作る神になる、とかいう明らかな敵と対峙するようになります。王道展開が嫌いなわけではないのですが、人々の妄想というテーマを提示したわけなので、テーマを軸にしてほしいな、と思いました。どうせ、エンディングで妄想がどうのこうの述べるだけのやっつけ仕事なんでしょ?

・登場人物
突然、秋葉原自警団に入団する主人公の親友・藍原ミズキ、私は特別なのと思い込むヒロイン・星野サキ、性格も言動も悪いお嬢様・真田コトミ等、主人公側のパーティは多かれ少なかれヤバい奴らばかりなので、個人的にあまり好きになれませんでした。秋葉原自警団がいいキャラだったというのもありますが…。

秋葉原自警団の正体
秋葉原自警団の正体は主人公の親友である藍原ミズキの妄想です。幼い頃からそのようなキャラクターを想像していた、とかなら納得するのですが、突然出てきた感が否めません(私が伏線を見逃していただけかも)。敵は、変装してピンクマントの怪人の噂を作る→主人公を利用して、秋葉原中に噂を広める→妄想としてピンクマントの怪人が具現化する、という犯人たちの事件簿みたいな健気な努力をしているのに、藍原ミズキは苦も無く3人作り出しました(自警団なのに全部で3人しかいなかったのはそういう理由だったんでしょうか?ゲーム側の描写コスト削減だと思ってました)。最後はかっこよく消えていっただけに、もっと丁寧に展開してほしかったです。

総合評価

点数:10点中5点
何よりも戦闘が普通以下のシステムでした。ストーリーもあまり良いとはいえず…。
「アキバズビートらしい」戦闘システムや工夫があれば良かったのになあと思います。
カッコよくて派手なEXスキルは、序盤で入れてくれよ…

JUDGE EYES:死神の遺言(ジャッジアイズ) _レビュー・感想

私は常日頃から現実逃避のためゲームの勉強のため、
様々なゲームを遊ぶことを心がけています。

お金と時間の兼ね合いもあるで全部は無理ですが、
好きなゲームだけじゃなく、スマホの広告で出てくるゲームや
有名なゲーム、世間でクソゲーと呼ばれているゲーム等々…


今回レビューするのはPS Plusでフリープレイとして配信されていた
「JUDGE EYES:死神の遺言 」です。
judgment.sega.com


このゲームは龍が如くの世界でキムタクを操作できる、通称キムタクが如くとして話題になったゲームです。
個人的にキムタクを操作できることに大きな魅力は感じなかったのですが、ストーリーが面白そうなのでプレイしてみました。
ちなみに、私は龍が如く0と極1はプレイ済みです。
※一部ネタバレあり


概要・評価点・不満点・総合評価の順で見ていきたいと思います。

概要

・ストーリー

主人公 八神隆之は弁護士資格を持ちながら探偵業を営んでいる神室町の何でも屋。神室町では最近、死体から目をくり抜いていく猟奇的な連続殺人事件が発生しており、ある組の若頭が容疑者として逮捕される。縁もあって、八神は若頭の弁護士から証拠集めの依頼を受ける。集めた証拠のおかげで無罪判決を勝ち取ったが、八神は若頭が殺人事件の実行犯を匿っていることに気づく。個人的に調査を進めていくうち、八神の過去や殺人事件の裏に隠された巨大な陰謀が明らかとなっていく…

・基本システム

龍が如くとほぼ同じで、時に神室町の探索やサイドストーリー、時に麻雀やゲーセンといったミニゲームなどを楽しみながら、メインストーリを進める箱庭ゲーム。散策中はチンピラやヤクザが近づいてきて戦闘になるので、コマンドを駆使して様々な技で敵を倒すシンボルエンカウント式のアクションゲーム。

・戦闘

戦闘では多対一に特化したスタイルと1対1に特化した2種類のスタイルが使える。さらに、落ちているものを武器にしたり、各スタイルや条件に応じて使えるEXアクションという必殺技を駆使して敵を倒していく。

評価点

・ストーリー

探偵である八神が連続殺人犯モグラを追うため、ドローンや尾行を
駆使していき、事件の真相と隠された陰謀に迫っていくというストーリーなのですが非常に面白いです。一部のアラ(後述の不満点)は気になりましたが、モグラの正体や八神の探偵となる転機の事件などが密接に絡み合っており、これだけでもプレイする価値はあります。

・基本システム

将棋や麻雀といったミニゲームやサイドストーリー、エンカウント方式等々、いつも通りの龍が如くのシステムではあるのですが、長年続いてきたシステムだけあって完成度が高いです。個人的には、ゲーセン形式でバーチャファイター5という1本のゲームがミニゲームとしてプレイできることに驚きました。もちろん、合う合わない等はあると思いますが、ミニゲームは多種多様なものが用意されており、満足度は高いと思います。

・戦闘

これもまた、いつもの龍が如くです。通常攻撃等でEXゲージを溜め、スタイリッシュな大技を決めていきます。中国拳法をベースにしたカッコいい技を使ったり、主人公の八神(キムタク)に変なものを持たせて戦ったり等、非常に面白かったです。

・その他

OPがかっこいいです。主題歌もそうですが、映像も素晴らしいセンスとカッコよさがあります。

悪かった点

・ザコ戦に意味がない

序盤は八神の戦闘を楽しむためにやっていましたが、戦闘後に得られるポイントは非常に微々たるものです。お金もドロップアイテムかつ落とす確率も低いので、雑魚的と戦闘をする意味はほとんどありません。サイドストーリーを進めると、中ボス並みの敵も出現するので、基本的には戦闘を避けるのが安定です。また、銃で撃たれると、体力の最大値が減らされるので、その度、一か所しかない回復所まで行くか、高価なアイテムを使わなければならず、非常に面倒です。

・探偵関連のシステム

ゲーム部分は龍が如く+探偵要素と考えてもらえればいいのですが、探偵要素がつまらないです。代表的なのは"尾行"です。主人公八神は探偵なので、所々で尾行パートが挿入されるのですが、尾行対象者は意味もなく歩き回ったり道を戻ったりします。こちらに気づいているとか尾行対策といった感じの動きではなく、割といい加減にウロチョロしたり、振り返ったりします。この時間が無駄に長いうえ、顔を知っているわけでもないのになぜか見つかるので、プレイ中は本当に苦痛でした。
道端のちょっとしたスペースで変装して誤魔化せるとか、アサシンクリードの会話盗聴みたいに進展があるとか、何度も見られるとアウトになるとか、もう少しゲームとしての落としどころがあればよかったと思います。
他にも、証拠を突き付ける部分にあまり意味がなかったり等々、龍が如くに付け加えられた探偵要素が足を引っ張ってる印象でした。一応言っておくと、時々挟まれるチェイスは面白かったです。サイドストーリーまでやると面倒ですが。

・一部のストーリー展開が期待外れ

期待していたのとなんか違うと思った展開が一部に見受けられました。
以下に例を挙げます。

・ゲーム内の法廷描写
現実の法廷はともかく、相手が知らない証拠で論破するといった理論的な展開が繰り広げられるのを期待していました。しかし実際には、敵である検事・弁護士の信用度をどう貶めるか、という部分が重要視されています。
例を挙げると、「検事はさっき現場検証してないと言ったのに、防犯カメラには現場検証しているところが映ってんだけど。こんな検事のいうことは信用できないよね。」といった感じで検事の信用度を下げます。証人の信用度ならわかるのですが…
他にも、傍聴席にいた被告人の恋人の涙ながらの演説で裁判の結果が決まったように描写される等、いかに相手の信用度を下げるかが重要視されています。プレイヤーと裁判長の感情面に訴えるような展開なので、カタルシスは得られるかもしれませんが…
最後の裁判も消化試合感は否めず、全体的に裁判部分は期待外れでした。

・戦闘導入の無理やり感
説得が失敗に終わったり、普通の警備員ではないような描写はありますが、一部、探偵が病院の警備員といったカタギと喧嘩する場面が多いのが気になりました。そのせいでジョーク混じりとはいえ、「八神さん、あとで弁護お願いね。」とか「俺弁護士だけど、暴行罪で訴えるの?」など、弁護士という職業の無敵感も相対的に高くなっています。ヤクザだけじゃなく、一般人の民度も低すぎでしょう…
主人公はヤクザではなく探偵なので、このような戦闘の導入もしょうがないとは思いますが、病院の警備員ではなく用心棒のヤクザが問答無用で襲ってくるとか、もう戦闘導入に正当性があればなあ、と思います。

・メインストーリー中に強制サイドストーリー
メインストーリー中、強制的に用意されたサイドストーリーをやらされます。メインと全く関係ないので、プレイ時間水増しのためやらされてる感が強いです。

・結局ヤクザ
展開にガッツリヤクザが絡んできます。この部分は人によると思いますし、0にしろとは言いませんが、せっかくの探偵主人公なので、半グレやヤンキー、やさぐれたほホスト等の身近な敵を設定してほしかったです。

総合評価

点数:10点中7点

一部に粗はあれど、非常にワクワクするストーリーでしたし、戦闘システムやアクション、ミニゲーム等は龍が如くをベースにしているので、非常に洗練されています。だからこそ、探偵関連のシステムに面白みがあったり、ザコ戦に旨味があれば、もっと楽しく遊べたのにと思います。次回作、ロストジャッジメントでは尾行システムの改善や面白いシステムが搭載されていることを強く期待したいです。

※前回↓
クロバラノワルキューレ_レビュー・感想2(クリア後) - プログラミング忘備録

クロバラノワルキューレ_レビュー・感想2(クリア後)

クロバラノワルキューレをクリアしたので、クリア後の感想もネタバレありで書きたいと思います。

 

※3章くらいまでのレビュー・感想↓

physx.hatenablog.com

 

 

感想

基本的には、ザコ敵にはアーツ、ボスには連携アーツ連打で勝ちました。主人公を格闘に特化させたので、アイ(メインヒロイン)やルナ(お嬢様キャラ)との連携アーツが強かったです。逆に、主人公が銃撃をする連携アーツは威力がいまひとつだったので、発動できない時は通常攻撃で敵の動きを止める&TP(覚醒ゲージみたいなもの)を貯める、又は回復する、といった方法をとりました。

正直、このゲームはアーツ連打か敵のゲージ止め戦法しか勝てる方法はないと思うので、敵から逃げることの難しさもあり、ほとんどの戦闘は無味無臭でした。

 

エンディングですが裏切り者はユエ(軍人キャラ)で、個別はルナでした。

このゲームは好感度の高いキャラで適切な選択肢を選ぶと裏切り者および個別エンドになるようですが、私の場合、好感度はどのキャラも星3(MAX星5)だったので、裏切り者と個別エンドが違うキャラだったのかもしれません。場合によっては裏切り者は死んでしまうようですが、私の場合は最後まで生きていました。

ただ、トゥルーエンド、ノーマルエンド、バッドエンドの3種類のうち、どれになったかはわかりません。

 

良かった点

良かった点というより、普通以上な点です。前回書いたところそのままなので、箇条書きで。

・良くも悪くも王道な感じのストーリー

・様々な属性が駆使できる戦闘

・清涼剤となる面談システム

ただし、どれも不満点があります(後述)。

 

 

不満点

前回と重なる部分もありますが、クリア(10章)するまでに積もり積もったフラストレーションを晴らす意味で、書き連ねます。

・敵の出現位置

多分これが一番のストレスです。

小さい敵ですら狭い通路の入り口をふさがれ、戻れないor進めない。アイテムを使っても当たり判定だけは残る。湧きが酷いときは、ワープゾーンを塞がれることもありました。パッチつくるなら、こういうのを先に直してほしいです…

フィールドでの攻撃を外すと、必ず敵に先制されるので、攻撃せずに真正面でぶつかったほうがいいという本末転倒なシステム。

また、プレイ中に気づいたのですが、一部の大型の敵は三体一緒に出現するよう設定しているから、倒してもその場でリスポーンするという意味不明な事態になっている気がします。同社の他のゲームでもあったと思うのですが、改善のときはいつくるのでしょうか?

 

・戦闘システム

敵が全体的に固い・異常に強い

雑魚キャラは固く、時間とAP(技を出すのに必要なポイント)を消費します。後衛にすぐには攻撃できなかったり、頭数たくさんそろえて出現するので、1ターンで倒すのはほぼ無理です。ちなみに、逃げるの成功確率は3割くらいです(レベルによって変わる?)。ボスになると、「攻撃力が強い」も加わります。私は最終ボス、難易度EASYで2回くらいゲームオーバーになりました。ボス戦ではゲージを調節しながら、「やられる前にぶちかまして、2ターン目以降はキャラが一撃で死なないor麻痺や即死をくらわないことを祈る!」という感じでクリアしました。

ただ、最終ボスは防具や装備を見直し、状態異常対策など工夫すれば、もう少し楽にできたかもしれません。このゲームはそういう作業が異常に面倒なので、私はやりませんでしたが。

 

一方、前回挙げていたお金が手に入らない、という問題は進めていくうちにほとんどありませんでした。まあ、回復アイテム大量にそろえても、一撃死や複数キャラの状態異常が即刻ゲームオーバーにつながるのであまり意味はないんですが。

 

武器の属性・分類にあまり意味がない

武器も分類を分けることに意味はなく、個人的にはミサイル>スナイパー=打撃>剣>>>銃撃といった感じです。ミサイルは特にザコ敵や中ボスクラスに効果的でした。このゲームは敵に部位と部位毎の弱点が存在しており、どの敵も必ずどこかの部位にミサイル弱点があります。部位ダメージは敵の体力も減らすことができる上、ミサイルは複数部位に攻撃できるので、一発ぶっ放すだけで、部位破壊と敵の体力を減らせて便利です。一方、銃撃だけが弱点の敵は数が少なく、大概ミサイルとスナイパー弱点を持ち合わせていたので、あまり意味はありませんでした。また、スナイパーやミサイルよりも射程が短く、遠くまでとどかないので、その点でも銃敵は不遇です。

全キャラ必ず銃撃を装備しているんですが、格闘+銃撃(ミサイルやスナイパー含む)+α くらいがちょうどいいような気がします。

 

キャラ位置・前衛後衛の意義不明なシステム

また、戦闘時のキャラ配置もあまり意味を成してません。敵は前衛後衛関係なく、スキルを使って範囲攻撃してくるので、中ボスや最終ボスともなると一撃で後衛と前衛をつぶしてきます。生き残っても状態異常があれば、非常に厳しい状況です。敵は最大7体同時にでてくるのに対し、こちらの範囲攻撃は最大3体で配置によって、当たったり当たらなかったりがあります。加えて、配置だけではなく範囲攻撃・範囲回復には"向き"の概念があります。下図をご覧ください。

〇  〇

〇  〇

 

〇=キャラ、→=範囲回復の向き

この範囲回復だと左下のキャラが自身を含めて範囲回復すれば2人とも回復できます。

 

一方、左の前衛が右の列を範囲回復しようとしたときは、

〇 → 〇

 

〇   〇

となり、右前衛1人しか回復できません。右後衛も斜めの矢印となって同じです。自身を範囲回復に選んだときは、向きが前になるので後ろのキャラまで届きません。

他にも"向き"のせいで、列が違うと範囲攻撃が当たらなかったりします。なぜこんなシステムにしたんでしょうか?

 

装備・アイテム

装備の選択肢が多すぎて疲れます。防御力アップやアサルトライフル強化、命中率強化等々。選択肢が多いのは結構ですが、多すぎて選別が面倒です。あと、自分の装備を直接パワーアップさせることはできず、一々外さなくてはなりません。銃はガトリングやショットガンといった選択肢もあるので、アサルトを装備・強化したいと思ったら、その違いも気をつけなけらばなりません。アイテムにも同じことがいえます。HP1000回復やHP25%回復アイテム、同じ効果の範囲回復アイテム、AP回復や復活、能力強化、状態異常回復等々、すべてが1つのタブにまとめられており、探すのが面倒です。

このゲームの武器属性もそうなのですが、無駄に選択肢を増やして、意味がないものが多いので、もう少しまとめてほしいと思いました。少なくとも、数値回復と割合回復、どちらかで統一した方がいいと思います。

 

また、新装備を作成には素材が必要なのですが、素材を集めるのが非常に面倒です。ドロップ率が悪いのだと思います。基本武器は単純なのですが、スナイパーやミサイル、銃撃等は要求素材が非常に多く、私は1回目の強化でさえ、ラスボス前時点で全キャラ合わせて2回くらいしかできてませんでした。素材を敵からスティールする技等もあるのですが、上記の通り、戦闘自体あまり面白くないのでやってません。

 

 

・面談

クリア後に、攻略サイトや個人の感想ブログなんかを見て判明したのですが、面談の内容に意味はありません。面談で嘘ついている人=裏切者とかもなく、面談後の報告書の成否数がエンディングに関わるだけらしいです。私は最終面談で「嘘をついている奴はいない」と提出したら、ユエが裏切者でした。今までの面談でも伏線やユエが嘘つきだったことはなかったと思ったので、ロードして2回ほどやり直しましたが、それでもユエが嘘つきらしい発言はなく、混乱しました。

ちなみに、第5章で隊から1人目裏切り者がでてきて、私は風見ナオユキ(ナンパ男)でしたが、人によっては篠原ケンゴ(洗濯大好き)になるようです。

男性への面談はないので、おそらく好感度や選択肢が関係していると考えられます。

これは私の予想も含みますが

・第5章では男性2人のうち、好感度によってどちらかが裏切者になる

・最終章付近は、好感度が高く、適切な選択肢を選んだ女性5人のうち1人が裏切者

(好感度が同じ場合はランダム?)

となるようです。面談システムの意味は…

 

あと、面談システム正直混乱します。嘘をついている人を探す、と考えると堂々巡りになるので、矛盾する証言1つと根拠となる証言2つ、そこから誰が嘘つきかと考えると、すんなり理解できました。

 

面談システムの難しさ(上記以外にも"裏付け"や周回プレイ必須の"事前調査")、目玉でありながら裏切り者や展開に直接的な影響しない点は不満に感じました。

 

・ストーリー

良くいえば王道、悪く言えばありふれたストーリーといった感じですが、面談システムが展開に全く影響しないのは問題だと思います。

そしてもう1つ。ストーリー中、気になったのは敵組織の幹部であるシエロ捕獲作戦です。

シエロを捕獲寸前まで追い詰めた主人公率いるワルキューレ隊。組織の本部長が突然現場に現れ、昔の親友であったシエロを撃ち殺します。本部長は「キメラ化した親友のケリを自分でつけたい。」などと言いますが、捕獲寸前まで追い詰めたのに逃げられそうになるワルキューレ隊、捕獲作戦なのに打ち殺す本部長、そしてその言い訳に納得してしまうワルキューレ隊。この辺は、脚本とゲームの都合的のためにキャラが動かされた感があって不満でした。この時点ですでに上層部が敵組織とつながっていることは判明しているので、私は「本部長は口封じのために打ち殺したんだろ。」と思っていましたが案の定でした。つながっているどころか、敵組織のボスでした。

また、最後に本部長が「主人公がアベルに似ている。」みたいなことを言い出すのですが、1週目ではアベルが何かわからずに終わりました。2週目やればわかるのか、続編を出すつもりだったのかわかりませんが、続編の方は炎上騒ぎもあって難しいので期待はできません。

 

 

・その他

任務が期限切れになるのがはやい

必須ではない任務はストーリーを少し進めただけで期限切れになります。早く達成するとボーナスがもらえるのですが、その期限もほとんど意味はなく、たいてい、あとでやろうと思ってストーリー進めて、強制期限切れです。

 

外れたメンバーの装備を付けなおす必要がある

ストーリーの展開上、隊からメンバーが外されることがあるのですが、スナイパーやミサイル、サポート装備は外されます。裏切り者が返ってこない場合のことを想定して適当に設定したのだと思いますが、いちいち面倒です。

 

 

総合評価

10点中3点

前の記事にも書きましたが、できることや組み合わせは多いのに、そのほとんどを活用しきれていない点が非常に不満です(面談システムや属性)。また、ゲームバランスも良いとは言い切れず、先行アーツぶっぱが最適解となるのも、同社のゲームの特徴で、全く進化していないのが残念でした。続編は難しいでしょうが、似たようなゲームは今後も出すと思うので、その際にはもう少しバランスを考えて制作してほしいと思います。

あと、性能的に優遇されているわけではないと思う(思いたい)のですが、結局1キャラだけ近接:スナイパーなのはなぜでしょうか?

クロバラノワルキューレ_レビュー・感想

未だに一本も完成できていない奴がいうのもどうかと思いますが、
ゲーム作りには"ゲーム"を知ることも重要だと考えています。

そこで常日頃から現実逃避のためゲームの勉強のため、
様々なゲームを遊ぶことを心がけています。

お金と時間の兼ね合いもあるで全部は無理ですが、
好きなゲームだけじゃなく、スマホの広告で出てくるゲームや
有名なゲーム、世間でクソゲーと呼ばれているゲーム等々…


その中でも、面白く感じられなかったゲームについて、
頭の中を整理するためにレビューと感想を綴っていきます。

今回レビューするのはPS Plusでフリープレイとして配信されていた
「クロバラノワルキューレです。
www.compileheart.com

このゲームは関係者がコネを使って親しいコスプレイヤー
声優に起用し、あまりにも下手すぎてネットで炎上していました。

そのため、公式のパッチでキャラ個別のボイスオフ機能が実装されたようです。私は「これもゲームの味だ。」と思って使ってませんが…

※3章(序盤か中盤?)まで遊んだ時点での感想です。
※3章以降をプレイすることで多少変わるかもしれません。


概要・評価点・不満点・総合評価の順で見ていきたいと思います。

概要

・ストーリー

1929年、人・獣問わず罹患するとキメラと呼ばれる怪物になるウイルス、キメラウイルスが世界中にパンデミックを引き起こした。そんな中、鎖国という方法でパンデミックを抑え込んだシンヤマト帝国。
さらにシンヤマト帝国はキメラ殲滅のため対キメラ組織ACIDを結成。
主人公の白峰アサヒはACIDの特殊部隊ワルキューレの隊長となってキメラ討伐を遂行していく。しかしある日、キメラ化の制御による人類の進化を目的とする謎の組織と遭遇。しかも、死んだと思われていたワルキューレ隊隊員の関係者が組織に属していることが判明…。
果たしてどのような運命がアサヒとワルキューレ隊を待ち受けているのか…

・基本システム

基本的には
①基地で任務を受注して出撃
②フィールドやダンジョンを探索。
 シンボルエンカウント方式で、戦闘をこなしつつ目標を達成。
③基地に戻って隊員と交流
を繰り返す。

隊員との交流には選択肢が存在し、適切な選択肢を選ぶことで仲良くなることができる。好感度は戦闘には関係なく、最後のエンディング分岐に関係するらしい。また、フィールドやダンジョンには昼夜や月齢があり、夜はキメラが強くなったり、特定の月齢の時しか出現しないレアキメラがいる。

・戦闘

戦闘はスピードによって行動順が決まるコマンド式。
素早さの高いキャラは行動ゲージがたまるのが速く、ほかのキャラより多く行動することも可能。
攻撃方法は
・敵の行動ゲージを少しだけ止めるコンボ攻撃(通常攻撃)
・敵の行動ゲージを減少させるチャージ
・強力な威力を持つがAP(MPのようなもの)を消費するアーツ
がある。

敵には炎や銃撃に弱いといった弱点が設定されているため、敵や味方の行動ゲージを操り、適切な攻撃方法を用いることで敵を撃破できる。

評価したい点

・ストーリー

ストーリーは悪くはないと思いました。少なくとも「明らかにキャラや流れとそぐわない行動をとる」みたいなのはなく、すごくつまらないとか不快になることはありませんでした。良くも悪くも王道のようなので、この辺は人によると思います。

・基本システム

月齢や昼夜によって出現するキメラが違い、その部分は面白いと思います。ただ、基本的には夜の方がキメラが強く、レアキメラや任務で戦うことになる中ボスも夜しか現れません。なので、朝に戦闘するメリットはあまりなく、時間を夜に戻すといった労力が面倒でした。

・戦闘

少し違いますが、Idea Factoryさん・コンパイルハートさんのフェアリーフェンサーエフ日本ファルコムさんの閃の軌跡に似ており、戦闘システムは理解しやすかったです。武器や敵の弱点に属性が設定されており、
打撃・剣・銃撃・スナイパー・ミサイル 
× 炎・氷・雷・衝撃・無属性
の適切な組み合わせを持つキャラで攻撃するというコンセプトや、キャラが8人に自由にパラメータを振れるので、どのキャラにどの属性を特化させようかという選択肢をプレイヤーに与えようという試み・意気込みは感じられました(できてるかどうかは別)。
あと、私はグラフィックにあまりこだわらないので万人が評価するかどうかはわかりませんが、戦闘シーンやモデルの動きはキチンとしていたと思います。

・面談システム

このゲーム、推理要素もあります。3章までだと「主人公の部屋のプリンを食べたのは誰だ?」程度の軽いものですが、公式サイトを見るに「裏切り者は誰か?」というエンディングに関わる場面で使われるようです。戦闘と会話だけでは正直飽きるので、個人的には面白い息抜きになってよいと思いました。

悪かった点

ここからが本題です。一言でいうと、開発側がシステムに取り入れた部分がどれも中途半端で詰めが甘いというのが不満点です。

・戦闘を避けづらい

フィールドではシンボルエンカウントで、操作キャラが攻撃されると敵に先制をとられ、攻撃が成功すると戦闘で先制できます。
しかし、操作キャラの攻撃判定時間がわずかで範囲も短く、空振りしやすいため、相手に先制を取られることが多いです。いやらしいのは、攻撃が当たらない場合、敵キャラは一瞬止まってから再度動いて攻撃されます。つまり確実に先制攻撃範囲に敵キャラが入った時に攻撃しなくてはなりません。敵キャラの当たり判定もわかりづらいので、非常にイライラします。
加えて、小さい敵キャラはたまに白眼の使い手のように周囲300度くらい見えている奴がいます。動きも早いため、こういうのに見つかったら接敵するのはほぼ確実です。大きいキャラはこちらを見つける範囲が広く、必ずといっていいほど操作キャラを追ってきます。大きい奴に限って、狭い道で6体くらい湧くので、見つからないようにうまく間を通らなければなりません。狭いダンジョン内ではこれがもっと厳しくなり、道を塞ぐこともあります。さらに、大きな敵は倒してもすぐにその場でリスポーンすることがあるため、再度戦闘する羽目になります。リスポーンは1回だけとは限らず、通りたければ何度も戦闘するか、諦めてダンジョンを抜けて再チャレンジするしかありません。

対向する手段は以下の通りです。
①ゆっくり近づいて、先制攻撃を仕掛ける(小さい敵は、見つけてもすぐによってこないこともある。ただし、背を向けると、素早く先制攻撃されてアウト)。
②障害物を挟むと追ってこないor攻撃してこないので、うまく使って先制攻撃をする。
③敵が動ける範囲外まで逃げ切れることを祈って全力ダッシュ
④戦闘後、数秒は無敵時間(見つからない)があるので、最低限の敵だけ倒して逃げる。
⑤敵との接敵を避けるアイテムを使う。ただし、希少なうえ、道を完全に塞がれた場合は通ることすらできない。

・戦闘が面白くない

敵が避けにくいうえに、戦闘もあまり面白くないです。不満点をまとめると、
①敵が堅い・数が多い
②武器属性の多さやパラメーター振りの自由度に意義を感じられない

1つずつ見ていきましょう。

①敵が硬い・数が多い
まず、敵は体力が多く、無駄に硬いです。このゲームは同レベルだと雑魚的ですら無駄に多い体力と攻撃力をもってるので、1ターンで倒さなければならず、APを消費する強力なアーツ攻撃を毎回使用することになります。ですが、AP回復アイテムは決して安くないうえ、戦闘で手に入るお金も多くはありません。。そのため、武器や新しい装備を買うお金を貯めるのに非常に時間がかかります。オート戦闘は可能ですが最適解で攻撃してくれるわけではないので、常にアーツを使う都合上、稼ぐためには2,3回戦闘してダンジョンを出る、という時間を浪費する場面が多いです。一方、連携アーツはAPの消費こそ多いものの、強力すぎます。ボスも全員で連携アーツ連打すれば1ターンで倒せるくらい強いです。このシステムなら、様々な通常アーツをつかって敵の体力を減らし、最後は強力な技でとどめをさす、というほうが楽しいと思うのですが…。せめて、覚醒状態の時だけ使えるとか、制限を付けたらよかったとも思います。

2つ目、数が多い。数が多くなると雑魚敵も非常に厄介です。このゲームには前衛と後衛があり、後衛に攻撃するためには先に前衛を倒すか十分な射程を持つアーツを使うしかありません。なので1ターンで倒すのは難しく、APも大きく消費するので、同レベルのダンジョンでは接敵せずに先に進むのが最適解です。しかし、接敵しないことの難しさは上で述べたとおりです。ボスと一緒に出現する取り巻きも中ボス程度の強さを持ち、非常に厄介です。スキルを使って、こちらの後衛を一撃で粉砕したり、状態異常にされて、3ターン行動できなくなったりします。ボスが強いなら理解はできるのですが、基本的には数で押してくる取り巻きが厄介なので、結局、連携アーツを1ターン目で繰り出して、速攻排除を狙うのが最適解だと思います。取り巻きが消えたら、ボスだけの消化試合になります。
また、アディショナルアタックという、敵のガードゲージを減らすと味方が追撃してくれることがあるのですが、多くの場合、体力0のザコ敵に無駄に追撃しているだけなので、キャラが動いているのを眺めるだけです。ボスの場合、ガードゲージが固く、アディショナルアタック自体の威力もそれほど高くはないので、結局連携アーツ連打が最適解だな、となってしまいます。


②武器属性の多さといった自由度が逆にとっつきにくい
武器属性は打撃・剣・銃撃・スナイパー・ミサイルの5つ × 炎・氷・雷・衝撃・無属性の5つ、理論上は25通りの組み合わせがあります。しかし、衝撃や無属性攻撃ができるのはミサイルのみです(3章時点)。あと、1人だけ近距離攻撃なのにスナイパー属性がある、ミサイル攻撃が不得意なキャラも無駄にミサイル攻撃を覚えてコマンド選択時に面倒、同じ射撃攻撃でもガトリングとアサルト、ショットガンに分かれている、能力がアップする覚醒状態がなぜか2段階にわかれる等々、できることは多いがとっつきにくく、無駄に感じる要素が多かったです。
近接攻撃の属性は固定なのに、全キャラ、スナイパーとミサイルは装備できます。普通に、スナイパーとミサイルと銃撃のカテゴリに入れてはダメだったのでしょうか?戦闘の効率が悪いだけなので、不得意なキャラにスナイパーを使わせる意味が理解できませんでした。格闘と銃撃と防具+体力上昇のようなサポートパーツの4つにとどめるべきだったと思います。

あとは細かい点ですが、そこまで大したグラフィックでもなさそうなのにフィールドで処理が遅くなることがある、平原ではカメラが突然真上からの視点になる、服が破れる要素の存在意義がわからない(コンパイルハートさん・Idea Factoryさんが製作したアイドルが戦うゲームも同じシステムがありましたね)等々が少しマイナス評価になります。

総合評価

点数:10点中3点

私のゲームの腕前が下手なだけかもしれませんが、要素が無駄に多いだけで、接敵や戦闘などのシステムに中途半端な部分が多く、遊ぶのではなく時間を浪費するだけになっている部分が多かったです。面倒なので私は、主人公の格闘攻撃に貯めたポイント集中させて、速攻撃破することにしました。もっとシンプルにして、その分システムの洗練に時間を費やしていれば、組み合わせを考えることができて、面白く遊べたような気がします。
また、ゲームの評価に関係はありませんが、コスプレイヤーが声優を務めたキャラだけ、近接がスナイパー属性(優遇?)なのも下衆の勘繰りをしてしまいます。

ただ、それ以外のストーリー等に不満はなく、まったく遊べないわけではないので、その部分を加味して3点としました。
同社が開発したゲームにフェアリーフェンサーエフがありますが、そのシステムを流用し作った方が手間も労力もかからず、洗練された面白いゲームになる気がします。