プログラミング忘備録

プログラミングやゲームに関することをつらつらと

YouTube Channel Blockerをストアに公開した話【YouTube Channel Blocker #2】

興味のないチャンネルの動画を自動で非表示にする拡張機能YouTube Channel Blocker」 を Chrome ストアに公開しました。


前回の記事では「YouTube Channel Blocker」を作った動機や苦労、感想を詳しく書いています。
physx.hatenablog.com


今回は、開発した「YouTube Channel Blocker」をストアに公開した話です。入手はこちらから↓
chromewebstore.google.com

FIrefox版はこっち↓
addons.mozilla.org


あれからどんな機能を追加したのかとか、ストアに公開するまでの苦労とかをつづります。

前回からのあらすじ+α

YouTube Channel Blockerを作った記事を書いた後、色々な機能を追加しました。
主機能の一覧はこんな感じ

  • タイトルNGフィルター
  • チャンネルNGフィルター
  • 各リストのインポート/エキスポート機能
  • 言語切り替え

あと、詳しくは書きませんが、追加実装に伴うエラー対応でかなり時間が取られています(多分、作業時間の6~7割くらい)。
加えて、カッコつけてREADMEに英語版も追加したりしちゃって...
そのせいで、単純にREADMEの確認や英文修正で作業時間が2倍になったので、後悔することになるんですけどね。

実装したやつ

それぞれの機能を実装したときの苦労やら感想やらを述べていきます。

タイトルNGフィルター

動画タイトルの末尾に「○○/切り抜き」みたいなのが多かったので、実装しました。
切り抜き自体はいいんですけど、ファンでないと楽しめないような動画だったり、人数が多いと誰が喋っているのかわからない動画が思ったよりも多くて...

しかし、「切り抜き」で全部非表示にすると、新たなチャンネルを見る楽しみが得られません。
ユーザーが全く興味のない動画や不快なサムネはドンドン非表示にできるのが望ましいですが、かといって、なりふり構わず全動画を非表示にするのは新規投稿者のチャンスが失われるので。

そこで、折衷案的に3つのキーワードによるAND条件(まとめてキーワードセットと呼ぶ)を実装しました。

例えば、「切り抜き」+「○○(出演者名)」の2つをキーワードセットにすると、

  • 「△△が食べ物を盗む瞬間が面白すぎる【切り抜き/GTA/××】」→表示
  • 「みんな最近いいことあった?【雑談配信/○○】」→表示
  • 「出したら死ぬといわれる九蓮宝燈を出しちゃった【○○/切り抜き】」→非表示

みたいに設定したキーワードをすべて含むものだけを非表示にします。

キーワード1つだけの時は、それをタイトルに含む動画が問答無用ですべて非表示になります。

もう本当に切り抜きが嫌だという人は「切り抜き」をキーワードにすればいいですし、○○さんの切り抜きはもう見たくないんだよなあという人は「○○」と「切り抜き」をセットすればいいですし。

注意点として、チャンネルページでもこれが機能します。
「COVER」をキーワードにすると、COVERを名前に含む動画が非表示になるわけですね。細かい条件までは確認できてませんが(最初のページだと非表示になるが、動画タブだと表示されたりすることもある)

そのうち、そのチャンネルの動画はすべて表示するホワイトリストみたいなのも追加したいですね。

チャンネルNGフィルター

機能自体はタイトルNGフィルターと同じです。動画タイトルじゃなくて、チャンネル名になっただけです。あと、チャンネル名はタイトルよりも短いので、1つのキーワードの長さは10文字に制限しました。大したことはないかもしれませんが、容量圧迫の防止です。

すごい個人的にですが、この機能は当時、あまり実装したくはなかったです...
政治系動画とか過激なニュースを取り上げる解説動画みたいなのが嫌いだったのですが、「解説」とかだと他の面白いやつも消えちゃいますし。

ただ、友達のおススメ動画を見てしまうと、そういうやつが繰り返し出てきて非常に不快になったのと、「このキーワードなら影響が少ないだろう」という法則性みたいなのがちょっと見えたので実装しました。

これのおかげで、私の非表示リストのやつが多少スッキリしました(「2ch」とか「反応集」みたいな興味ない量産型チャンネルをまとめて一掃できた)。

各リストのインポート/エキスポート機能

リストのインポート/エキスポート機能です。リストをjsonで出力・入力します。

設定ページにも書いてありますが、「Channel Blocker」は時々リストが全部消えることがあったので、この「YouTube Channel Blocker」も定期的なバックアップを推奨します。今のところ、その不具合は発生していないですが...
ただ、発生したとして、どうやって解決するのだろうという不安があります...

ちなみに、エキスポート時のファイル名は最初にいい加減に実装したときのままです。というか、キチンとしたファイル名を考えあぐねています。
タイトルNGフィルターとかチャンネルNGフィルターもそうなんですが、ビシッとくる名前がまだ思いつかない...

チャンネル名NGフィルターの方がわかりやすいと思うんですが、ちょっと長すぎない?とか漢字とカタカナと英数字が3つ混じるのがなんか嫌だな、とか思ってしまって...(考えすぎかなあ?)

まあ、他の機能も実装しながら、名前は修正していきたいと思います。

言語切り替え

ストアに公開するなら、英語はつけるべきだろうと思ってつけました。
間違いとまでは言いませんが、作業時間が増えてしまったので後悔する一因になっています。
READMEも英語つけちゃったしなあ...

精査する時間まではとっていなかったので、ニュアンスは大分おかしいと思います。
更なる他言語対応とか、やりたくないなあ...

寄付機能

ちょっと金銭欲がでちゃいました。
とはいっても、寄付した人にメリットがあるわけではなく、完全に任意です。「鳩に餌やる感覚で、良いと思った人が寄付してくれないかなあ」という宝くじ感覚で実装した機能です。

自分なりに送金機能を実装できたことによる喜びが大きかったんで、それだけでも価値はあったかと思います。


以上、こんな感想を持ちながら、色々な機能を実装してきました。「足りないところはあるけど、最初に比べると機能も増えてきたなあ」と振り返っていた頃、ストアへの公開を考え始めます。

拡張機能をストアに出してみよう

時系列順にストアに出すまでの思いやら感想やらを記載していきます。

ストアに出そうと思ったきっかけ

先に結論を言うと、「他の人がダウンロードしやすいように」+「承認欲求」です。

開発のはじめは自己満足でした。あくまで自分のYouTube上で不快な思いをしたくない(嫌なら見るな、でもYouTubeは否が応でも表示してくるから自己防衛しよう)という一点で開発したのです。

コード公開したり、ブログに書いたりしたのは承認欲求です。せっかく作ったのに日の目を見ないまま、自己完結で終わってしまうのは寂しいなあと。

しかし、コードと一緒にインストールの手順は載せたものの、初心者があれこれするの正直難しいなあ、とも考えていました。
そこで、誰でも簡単にインストールできるように、ストアに出そうと思いました。

ストアに出せば、今よりは人に見てもらえるでしょうし(ゾウリムシからミジンコに進化したレベルでしょうが)、ダウンロードもやりやすくなります。
ユーザーが増えることで、様々な改善案が得られるかもしれません。

また、正直、最近は一人で動作確認テストすることにも限界を感じていました。
機能を追加すると、機能同士を組み合わせた場合の動作確認テストも必要になって、デバック時間が際限なく増えていくので...
自分では気づかなかった不具合が見つかる可能性、という副次的な効果も期待できます。

このように、「他の人がダウンロードしやすいように」+「承認欲求」といった思いがあって、拡張機能をストアに出すことを決意しました。

決意してから「YouTube Channel Blocker」をストアに出すまで

ストアに出すまでの経緯やら感想やらを色々書いていきます。

ストアに出す前

まず、ストアに出すにあたって必要なものを調べてみました。

  • ストア登録の5ドル
  • Developerページへの登録
  • アカウント名をニックネームに変えておく(本名バレを防ぐため)
  • 審査で提出するための長めの説明文や機能説明、権限にアクセスする理由
  • 拡張機能を説明するスクショ

5ドルはクレジットカードでなんとかしました(外貨変換手数料はかかっちゃたけど)。

Developerページへの登録もGooGleアカウントがあるので、そのまま使うだけです。
名前を変更しなかったら、ストアで本名が堂々と出てしまうので変更する必要がありましたが(ニックネームや表示名を設定しても意味がなく、「名前」を変更する必要がある)。

審査で提出する拡張機能の説明文等はChatGPTに要点を書かせて、自分で整形しました。


一番難しかったのはスクショです。最低限×ボタンが表示されている写真が欲しかったのですが、トップページの中から適当に選ぶと投稿者批判みたいで嫌ですし...
YouTube Officialのチャンネルなら大手だし角が立たないだろうと思って、検索ページでYouTube Officialだけがでてくるようにしました。

その後は、既定のサイズに合わせるため、拡大縮小で崩れるフォントや画像との勝負...
ようやく自分の中の最低合格ラインギリギリの画像ができましたが、あまり納得していません。
人を引き付けるようなキレイな画像ではないですし...

提出後、審査は1か月くらいかかるとか書いてあったのですが、1時間くらいで公開できるようになりました。

誤算だったのは、公開前だと説明文の変更ができなかったことです。
バージョン1.0になったままだし、説明文とかスクショとかも追加・変更したかったのに....

まあ、再審査が嫌で「えいや」って感じで出しちゃったんですけどね。
画像の追加や説明文の直しが必要だと思うので、次回以降の更新で少しづつ修正できればと思います。

ストアに出した後

動作確認はEdgeで行いました。普段のブラウザはOperaChrome使っているんですが、
Opera:最新版を自分で長期間使ってテストする用
Chrome:追加実装した機能の動作確認テスト用
って感じで使っており、自分で開発したやつと混同してしまいます(開発用のやつとストアのやつでアイコンも同じなので、区別がつかない)。

なので、Edgeを新しく使うことにしました。幸いにも、Chrome拡張機能はEdgeでも使えるようなので。

ただ、YouTube Channel Blockerがストアの検索にでてこなくて、ちょっと苦労しました。
Developerページから直接飛べたので良いんですが、今も出てこないようです...
(検索への反映が遅いのか?人気にならないと検索にすら出ないのか?)

追記:少しずつ知られるようになったおかげか、今は検索に出ています。

兎にも角にも、Edgeで最低限の動作確認はできたので一安心という感じです。

余談:本拡張機能のユニーク性について

開発したソフトはユニーク性(そのソフト独自の強み)がないと、「なんで出したの?このソフトの意味ある?」って詰められてしまいます(社会人経験より)。
まあ、一人で作ってますし、動機が自己満足なんで問題ないといえば問題ないんですが、一応YouTube Channel Blockerのユニーク性について、似た機能を持つ拡張機能と比較してみます。

似た機能を持っていて人気なのは主に2つです。他にもあるようですが、細かいのを調べるとキリがないので、とりあえず人気が高そうな2つだけにします。

Channel Blocker

1つ目はChannel Blockerです。
chromewebstore.google.com

こちらは以前の記事で書いたように、関連動画(動画再生中の右の動画一覧)で動作しなくなりました。
アップデートも1年前だったので、更新はない可能性が高いです。そのため、単純に更新があること(少なくとも、2025年7月時点のYouTubeページに対応していること)が「YouTube Channel Blocker」のユニーク性になります。
...まあ、更新があることをユニーク性に分類していいかは微妙ですが。

YouTube Channel Blocker」はこの拡張機能を参考に作った物ですし、UIは使いやすく、シンプルです。
正直、「YouTube Channel Blocker」の方が劣っている点が多いと思います。今後の更新で、より良いものにしていきたいですね。

BlockTube

2つ目はBlockTubeです。
chromewebstore.google.com

こちらは、xボタンのように簡単に非表示にできる機能はないものの、ショート動画やプレイリストの非表示もできます※。玄人向けの設定もできるようなので、慣れてしまえばとても使い勝手がいいと思います。

こちらは最近までアップデートが1年前から動いてなさげだったんで、Channel Blockerと同様、更新の有無で勝ち目があるかなあと思ってました。しかし、最近GitHubの方で開発者からのコメントがあり、動き始めているようです。そのため、今の関連動画で動作しない不具合は、そのうち修正される可能性大です。

よって「YouTube Channel Blocker」ならではのユニークな点は、「xボタンから簡単にリストに追加ができる」しかありません。更にユニークな点を実装できるように今後の更新で頑張る必要がありそうです。

※私もプレイリストはともかく、最近、不快なサムネのショート動画が表示されはじめました。集合体恐怖症注意なやつで、私は恐怖症とまでは言いませんが大きく見せられるのは不快です。近いうちに、ショート動画抹殺非表示機能を出します。


まあ、勝ち負けしたり、他の拡張機能よりも人気をとりたいわけではないですが(そもそも、あちらには知名度や長年の信頼といった長所があって、勝てるわけがない)。

今後について

とりあえず、今後は色々な機能を追加したり、不具合や名前のブラッシュアップ等を行いたいと思います。とはいっても、リリースしていないだけで、隙間時間とかにちょくちょく機能追加したり、それに伴う不具合と戦ったりしているんですが。

大まかな実装予定としては、

  • 全ショート動画表示/非表示設定
  • プレイリスト表示/非表示設定
  • ホワイトリスト設定
  • トップページのサムネサイズを小さくする設定

を実装する予定です。いつ・どれをやるかはわかりませんし、確約もできませんが。

最後になりますが、不具合や要望について。
ストアページのレビューは

  • 連絡が一方的
  • 返信もしづらいから、問題の原因がつきとめられない
  • 「おま環」や一時的なものの可能性もある

といった理由でほとんど見ないと思います。

GitHubのissuesやdiscussionsのページに書いてもらえれば、対応する可能性があります。
一応、このページや前の記事のコメント欄でも構いません(露骨なアクセス数稼ぎ)。
github.com

なお、全ての要望の実現はできません(例えば、Next動画のチャンネル名を判断して自動停止するなどはかなり難しそう)ので、ご了承ください。

余談:宣伝

前回と同じく最後に宣伝を。Steamで公開するゲームを作っています。
私事でなんやかんや色々あって、だいぶ遅れていますが、できるだけ早く出せるように頑張って製作中です。
store.steampowered.com


次のお話↓
physx.hatenablog.com


前のお話↓
physx.hatenablog.com

大雨のせいで成田空港で帰宅難民になった話

大雨のせいで成田空港で帰宅難民になり、そのまま空港で一晩過ごすことになった話です。

背景

2026年8月13日、千葉で警戒レベル5の大雨が発生しました。

その数日前には観測史上初となる茨城県への台風上陸があり、しかも東から西へ進んでくる、いわゆる「逆走台風」でした。今回の大雨も、この元台風15号から流れ込んだ暖かく湿った空気などが原因の一つだったとのことです。

千葉県では線状降水帯が複数回発生し、各地で道路が冠水。千葉駅前などでは膝まで水につかりながら歩く人の姿も報じられていました。
news.tv-asahi.co.jp

成田空港から出られなくなる

この日は新千歳空港から成田空港へ向かう飛行機に乗っていました。
「大雨が降っていることは知っているが、電車くらいは動いているだろうなどと勘違いした男」を乗せながら、飛行機は成田空港へ到着します。

雷雨でちょっと到着が遅れたものの、預けていた荷物を受け取り、駅へ向かいます。
すると、地下(1階だったか?)へ続く道がすでに封鎖されていました。
大雨の影響で電車が止まっており、空港から出られない状態になっていたようです。

周囲を見ると、先に到着していた人たちはすでに壁際などのスペースを確保し、空港で寝る準備をしていました。
私は「成田空港 脱出」「成田空港 出る方法」「成田空港 出して お願い」などといった検索ワードで調べ、最終的に帰宅難民決定したことをひしひしと感じておりました。

帰宅難民と決まったからには、寝られそうな場所を確保しなければなりません。
ベンチは私よりも早い飛行機で先に着いていたであろう人々(上級国民)に占領されていたので、床での野宿決定です。

比較的マシな床や充電できるスペースのある場所も軒並み占領されているようだったので、端の方のスペースを確保しました。
旅行帰りだったので、着替えの入ったカバンを枕代わりにし、スマホ用のモバイルバッテリーなども準備します。
あと、財布が盗られないように、カバンの紐を自分の腕に軽く結んでおきます。

空港での夜

寝袋や食料の配布(23時頃)

スマホをいじりつつ眠気が来るのを待っていましたが、23時くらいに4階で寝袋(シュラフ)・食料・水を配布するというアナウンスが入りました。

すぐに行くと混んでいると思ったので、1時間ほど時間をずらしてから向かうことにしました。

配布場所へ(0時過ぎ)

0時過ぎに4階へ行ってみると、配布開始から1時間ほど経っているにもかかわらず、まだかなりの行列ができていました。

そのまま最後尾に並び、寝袋や食料、水を受け取れたのは1時くらいでした(約1時間待ち)。
しかも、私が受け取った時点でも後ろには同じくらいの長さの行列が残っていました。
私の後ろの方に並んでいた人は2時くらいまで待っていたのかもしれません。

後でニュースを確認すると、このとき成田空港では約6600人がターミナル内に残っていたと報じられていました。

電車やバスなどが運休したことで成田空港でも6600人がターミナル内にとどまっています

news.tv-asahi.co.jp


配布されたのは寝袋のほか、水と食料のクッキーでした(受け取ったときに写真を撮るのを忘れたので、水と食料を後から撮影)。

ちなみに、クッキーはその場では食べず、家に帰ってから食べました。味は悪くなく、アレルゲン物質なしという点も含めれば、不特定多数の人に配る非常食としては良いクッキーだったと思います。

就寝(2時頃)

寝袋などを受け取った後、確保していた場所へ戻りました。
スマホでゲームをしたりして時間をつぶし、2時くらいに寝ることにします。

ただし、寝袋を広げた場所はエアコンがかなり効いていて結構寒かったです。
さらに、安全上などの理由なのか、深夜になっても空港内の照明は全力全開でついたままでした。

寒い・明るい・床という三重苦で、なかなか寝付けませんでした。

翌朝

起床(4時頃)

2時くらいに寝たものの、4時頃には目が覚めました。

空港で寝るという普段とは全く違う環境だったせいか、全然眠れませんでした。
この時間になると空港職員さんたちも働き始め、国際線の乗客も来始めます。

床で寝続けるのも邪魔になりそうなので、寝袋を片付けてベンチへ移動することにしました。
その時、借りていた寝袋を返そうと思ったのですが、どこに返せばいいのか分かりません。

配布時に返却場所についての説明はなく、返却場所の案内も特に見当たりませんでした。
周囲を見てもそれらしい職員さんはいません。

仕方がないので、最終的に税関の前あたりに寝袋を置いてきました。

せめて返す場所くらいは教えてほしかったなあ…

電車も大行列(6時頃)

朝になり雨自体は落ち着いていたので、今度こそ電車で帰れるかと思いました。
朝一で行くと、他の人と被ってしまうので、数時間くらい待つことを決意して、ベンチから周りの様子を見ていました。

しかし、駅へ向かう人の列はかなりの長さになっていました。国際線方面に並ぶ行列・バスチケット購入窓口に並ぶ行列・駅へ向かう行列が入り混じって、どこが最後尾かわからないくらいに。
特に駅へ向かう行列が一番長く、6時頃から並んだとしても、見た感じでは2~3時間以上かかりそうです。
しかも、列が普通に少しずつ進んでいるわけでもありません。
何人かが地下へ進んでは止まり、しばらくするとまた何人かが進む、といった状態でした。
後から「駅が浸水していた」という話を聞いたので、もしかしたら入場規制を行っていたのかもしれません。

ちなみに、翌朝の京成線では、実際に入場規制が行われていたことがニュースでも報じられていました。

始発から運転を再開した京成線では、切符を求める人で殺到し、一時入場規制がされていました。

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どうやら「電車が動いた=乗れる」ではなかったようです。

テレビで大雨の状況を知る

ベンチへ移動して行列の様子をうかがいながら、スマホで移動経路を調べたり、空港にあったテレビでニュースを見たりしていました。
この時に、私は初めて成田空港に7000人が閉じ込められていたということを知りました。
まあ、国際線・国内線含めたらそんだけいるよなあ…

スマホでも大雨に関するニュースを調べてみたのですが、蘇我駅では京葉線などの運転見合わせによって一時約4000人が帰宅困難となっていたようです。

蘇我駅では、13日の夜から京葉線などの運転見合わせの影響で、一時およそ4000人が帰宅困難となりました。

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バスも大行列

電車はいつ乗れるか分からなかったので、今度はバスで空港から出ようとしました。

しかし、バス乗り場にもかなり長い行列ができていました。
電車ほどではないものの、見た感じでは30分以上は待ちそうです。

ただ、悩んでいてもしょうがないのでとりあえずでバスの列に並びました。が、並んでいる途中、唐突に悪い考えが思いつきました。
「たまには歩くか。成田(徒歩2時間)まで行けば電車あるんじゃね?歩いている間に行列も進んで、数時間後にはいい感じに乗れるかもしれないし!」

結論から言うと、この考えは間違いでした。次回の記事で書きます。

成田空港で一晩過ごして分かったこと

せっかくなんで、教訓を書き記しておきます。

寝袋(シュラフ)の返却場所はないので、聞いておこう

今回借りた寝袋は、返却場所について特に案内も表示もありませんでした。

後から返そうとしても職員さんが見当たらず、結局どこへ返すのが正解なのか分からなかったので、受け取るときに確認しておいた方が良いと思います。

というか、職員さんがここに返してくれとアナウンスするなり、借りた場所に返却場所を作っておくなりしてほしいなあ

床で寝るなら2階より4階

私が見た限りでは、2階の国内線側より4階の国際線側の方が人は少なめでした。

2階は人がかなり多く、良さそうなスペースやベンチもほぼ埋まっていました。
3階はスペースが狭いので、論外。
一方、4階は比較的来る人が少なく、床で寝るスペース自体は確保しやすそうです(ただしベンチ等はほぼなし)。
冷房の効きが強い等もなさそうなので、次回あれば(ないのが一番だが)4階で寝ようと思いました。

翌朝になってもすぐ帰れるとは思わない

一番重要なのはこれ。
雨が止んで電車が運転再開したとしても、前日から空港に閉じ込められていた数千人が一斉に移動します。
今回、翌朝には電車に長大な列ができ、バスにも行列ができていました。

そのため、「朝になった」「雨が止んだ」「電車が動き始めた」からといって、すぐに空港から出られるとは思わない方が良さそうです。

近所に車で迎えにこれる人がいるなら、遠慮なく頼った方が良いですね。

次回、成田空港から成田駅まで歩く

ということで次回、「成田空港から成田駅まで歩いてみた話」を書きます。

シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI レビュー・感想|文明を育てる面白さは抜群だが、初心者への不親切さとDLC前提の設計が惜しい

今回レビューするゲームは「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」です。

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都市を建設し、科学や文化を発展させながら、自分の文明を古代から現代まで成長させていくターン制ストラテジーゲームです。

都市をどこに建てるのか、何を研究するのか、軍事力を高めるのか、科学や文化を優先するのか。自分の選択が何十ターンも先の状況、つまり文明づくりに影響するため、考えること自体が面白く、「あと1ターンだけ」と思いながら長時間遊んでしまいます。

ゲームについて

本作は、歴史上の文明を率いて世界の覇権を目指すターン制ストラテジーゲームです。プレイヤーは日本・アメリカ・ローマ・エジプトなどから一つの文明を選び、都市を建設するところから始めます。

周辺の土地を探索したり、蛮族を倒したり、食料や生産力を確保したりしながら、技術や社会制度を研究して文明を発展させていきます。序盤では戦士や弓兵程度のユニットしか作れませんが、研究を進めると騎士・大砲・戦車・航空機などが解放され、最終的には人工衛星を打ち上げるところまで発展します。

都市には、食料・生産力・ゴールド・科学力・文化力・信仰力などの数値があります。食料を増やせば都市の人口が成長し、生産力を高めれば建物や軍事ユニットを早く完成させられます。科学力を高めれば技術の研究が早くなり、文化力を高めれば社会制度の研究が早くなります。

勝利条件も一つではありません。科学技術を発展させて宇宙開発を進める科学勝利、観光力を高めて自国の文化を世界へ広める文化勝利、宗教を創始して世界中の文明へ広める宗教勝利、他文明の首都をすべて制圧する制覇勝利などが用意されています。

良かった点

ゲームシステム

複数の要素がうまくかみ合っている

本作では、どれか一つの数値だけを伸ばしていればよいわけではありません。都市を増やすには開拓者が必要ですが、開拓者を生産している間は、その都市で建物や軍事ユニットを作れません。軍事ユニットを増やせば敵からの攻撃に備えられますが、その分だけ都市施設や世界遺産の建設が遅れます。

科学力を重視すれば新しい技術を早く研究できますが、文化力を軽視すると、新しい政治制度や政策の解放が遅れます。自分が目指す勝利条件も踏まえつつ、科学施設を建てるのか、軍事ユニットを作るのか、開拓者を生産して都市を増やすのかを、状況に合わせて判断しなければなりません。

基本的な数値の意味は理解しやすい

覚える要素は多いものの、それぞれの数値を増やすと何が起きるのかは、ゲーム内で最低限説明されています。食料・生産力・科学力・文化力などの基本的な数値はチュートリアルで説明されていますし、建物や政策についても、どの数値がどれだけ増えるのか表示されます。

すべての仕組みを一度に理解するのは困難ですが、目の前の施設や政策にどのような効果があるのかは確認できます。時間はかかるものの、一つずつ覚えていけば、少しずつ文明を効率よく発展させられるようになります。

文明の発展

古代の小さな都市が巨大国家へ成長する

ゲーム開始直後は、小さな都市と数体のユニットしかなく、周囲の地形もほとんどわかりません。そこから周辺を探索し、新しい都市を建設し、道路・農場・鉱山などを整備していきます。

最初は戦士や弓兵しかいなかった文明が、研究を進めることで騎士や大砲を運用するようになり、さらに時代が進むと戦車・航空機・潜水艦まで登場します。DLCがあれば巨大ロボットも登場します。

古代の小さな集落から始まった文明が、広大な領土と高度な技術を持つ国家へ成長していく過程には、大きな達成感があります。序盤に建設した都市が巨大な工業都市や文化都市へ成長していることもあり、自分で文明の歴史を作っている感覚を味わえます。

地形に合わせて都市の特徴を作れる

本作では、都市周辺の土地にキャンパス・工業地帯・商業ハブ・劇場広場などの区域を建設します。区域は、周囲の地形や他の区域との位置関係によって得られる効果が変わります。

山の近くにキャンパスを建てて科学力を高める、生産力を確保しやすい土地に工業地帯を作る、海に面した都市では港を活用するなど、土地の特徴に合わせて都市の役割を考えられます。

科学に特化した都市、生産力の高い工業都市、世界遺産や芸術作品を集める文化都市など、都市ごとに異なる特徴を持たせられます。計画した配置が完成し、高い効果を得られた時には大きな達成感があります。

中毒性と繰り返し遊べる内容

文明や勝利条件によって戦略が変わる

科学勝利を目指す場合は、科学力と生産力を高めて宇宙開発を進めます。文化勝利では芸術作品や世界遺産を集め、観光力を高める必要があります。制覇勝利では軍事力を高めて他文明の首都を占領します。

文明ごとに固有の能力やユニットも用意されています。科学が得意な文明、宗教に強い文明、戦争に向いている文明、海洋進出が得意な文明など、それぞれ特徴が異なります。

マップも毎回自動生成されるため、周囲の地形・資源・近隣文明によって取るべき戦略が変わります。同じ文明を選んでも毎回同じ展開にはならず、別の文明や勝利条件で何度も遊べます。

価格

セール時の本編は非常に安い

DLCを含まない本編はセール時に数百円程度まで値下げされることがあります。
文明・勝利条件・マップを変えて何度も遊べることを考えると、セール価格で購入した場合の費用対効果は非常に高いです。

ストラテジーゲームが自分に合うかわからない人でも、セール時であれば試しやすい価格です。

グラフィック等

一癖も二癖もある指導者たち

3Dモデルの出来がかなり良いです。取引する時や制覇で負けたときなど、セリフとともにユニークに動いてくれます。なんとなく「シヴィライゼーションらしさ」が伝わってきて非常に良いです。

セリフも各国の母国語(?)を喋ります。
地味ですが、日本人指導者もきちんと声優さんの日本語ボイスを収録しているのすごいと思います。

不満点

** 初心者への対応・情報不足感
*** チュートリアルが短く、何をすればよいのかわかりにくい
本作は開始直後から、食料・生産力・科学力・文化力・信仰力・ゴールド・住宅・快適性など、多数の数値が表示されます。ゲームを進めると、交易・宗教・偉人・世界遺産などの用語も多数登場します。
どれも重要な情報ですが、初心者にとっては情報の大洪水です。

チュートリアルは用意されているものの、ゲーム開始直後に表示される基本的な数値や戦い方の説明だけで終わってしまい、全体の進め方までは教えてくれません。
何を研究すればよいのか、どうやって勝利すればよいのか、文化爆弾といった用語が何を意味するのかは、自分で調べるか失敗しながら覚える必要があります。

基本的な情報の説明がまったくないわけではなく、最低限の説明やガイドはあります。
ただし、本作の圧倒的な情報量に対して説明は足りていません。
初心者は、文明をどのように発展させればよいのかわからない状態のまま多数の選択を求められ、よくわからないまま萎えてしまうと思います。
私がまさにそうでした(進め方がわからず数か月放置)。

一応、ネット上には攻略Wikiや実況動画など学べるものは多いですが、その多くがDLC入りのものに関する説明なので、DLCなしでの動きを学ぶのはかなり難しいです。
最低限の方針を学べる長めのチュートリアルや、勝利条件ごとの練習モードが欲しかったと思います。

最低限必要な情報が多すぎる

数値を増やすと何が起きるのかは説明されていますが、その数値がどのように計算され、実際の勝利条件へどう影響するのかはわかりにくいです。

特に文化勝利は勝利条件が少し複雑で、ゲーム後半にならないと効果がわかりにくいこともあり、理解できるようになるまでがかなり困難です。
私は攻略Wikiを何度も見て、ゲーム内のパラメータと比較したうえで、ようやく基礎を理解できるようになりました。

戦闘でも、地形・防御ボーナス・支援ボーナス・包囲・文明固有能力など、多数の要素が結果へ影響します。私の場合、「相手が弱いユニットばかりだから戦争を仕掛けたものの、防壁を突破できずに押し負けてしまった」「近くにいた都市国家のユニットが突然襲ってきたが、敵味方の見分けがつかず、なぜ襲われたのかもわからなかった」といったことがよくありました。

負けて学ぶのはゲームではよくあることですが、学ぶべきことが多すぎて、狙った勝利条件を達成できるようになるまでのハードルはかなり高いと思います。

ゲーム内百科事典シヴィロペディアもありますが、情報量が多く、知りたい情報を探しにくいです。
基本的には攻略Wikiを見ながらプレイしたほうが早いです。


他にも、必須と呼べる鉄・硝石・石炭・石油などの資源が自分の領土内にない場合の対処法等の説明はありません。
本作は研究を進めていないと資源の場所が見えないため、知識のない頃は「周りに鉄がなさそう→リセット」と言う試行錯誤を繰り返していました。

本来は周りに存在しない資源は取引で入手したり、他文明に媚びへつらって喧嘩を売られないようにする等が正しい対処方のようですが、そもそもUI上の情報が多くて初心者にはわかりにくいです。
基本的な外交面の操作についても説明してくれたら良かったと思いました。
社会制度の進捗とともに、交渉項目が知らぬ間に増えていくことも理解の難しさにつながっていると思います。

組み合わせを考えるパズルゲーム

区域や世界遺産を建設する際には、数十ターン数百ターン先の完成形まで考える必要があります。特に区域には隣接ボーナスが設定されているので、現在必要な施設を空いている場所へ置くだけではなく、将来解放される区域・用水路・ダム・世界遺産などを想定して、土地を空けておかなければなりません。

初心者は後の時代ででてくる区域や世界遺産の知識が一切ありません。
難易度が低い時はそれでも何とかなることが多いですが、「熱帯雨林を次々と伐採していたら、ほぼ無価値の世界遺産タイルになってしまった」ということもあり得ます。

特に区域は一度建設すると、基本的に移動も撤去もできません。建設できる区域数も都市の人口で決まるため、配置の失敗に気づいても、人口増加にかなりのターン数が必要です。

プレイヤーに様々な○○特化都市を作らせたかったのかもしれませんが(日本なら京都は科学特化の都市、東京は文化特化の都市みたいな)、かなりゲームを理解しないと活用できないのが残念です。
都市毎に特色が変えることが可能になるゲームデザイン自体は大好きなんですが…

戦争・ゲームバランス

多都市が強く、戦争のメリットがデメリットを上回る

本作では、基本的に都市の数が多いほど国力が高くなります。都市が増えれば、科学施設・文化施設・商業施設・工業施設を建設できる場所も増え、科学力・文化力・生産力・ゴールドをまとめて増やせます。

非戦で平和的に都市を増やしたい場合は、開拓者を生産し、開拓できる場所を探し、新しい都市を一から育てる必要があります。ただし、他文明も領土を広げてきますし、他文明の近くに都市を建設すると指導者が文句を言ってきます。
あっちは平気で隙間に都市をねじ込んでくるくせに

また、忠誠心のシステムがあるモードでは先んじて遠方に孤立した都市をねじこむのも困難です(他文明に近い孤立した都市は反乱→他文明に併合のコンボを受けやすいため)。

一方、戦争なら相手が育てた都市をそのまま奪えます。科学勝利ではトップの文明から科学力の高い都市をいくつか奪えば有利ですし、宗教勝利では敵文明の都市を減らすことで布教しやすくなります。
戦争のデメリットには軍事ユニットの生産や維持費・外交関係の悪化・反乱といったリスクがついてきますが、本作は多都市ほど強くなりやすいため、都市を奪う利益と比べると、これらのリスクはかなり小さく感じられます。
難易度にもよりますが、侵略できそうな文明から順番に攻めて生殺し状態にすれば、そのままどんな勝利条件でも達成出来ます。

特に文化勝利は、言葉だけを見ると小国家でも勝てそうな印象がありますが、実際には、大量に産み出した文化力・観光力を使って、他国を殴るようなイメージに近いです。
特に負けそうなとき、いつの間にか他国がかなり独走している時なんかは仕方なく戦争で都市を奪うプレイになりがちなんですが、
「戦争で都市や資源を奪えるなら、滅亡まで滅ぼして制覇勝利で良くない?」
とも思ってしまいます。
実際、そのような状況では制覇勝利に走った方が短時間で終わりますし、文化勝利できたとしても、「戦争で奪った文化勝利」という、どこか徒労感の残る結果になってしまいます。

ここは私の勉強不足なだけで、きちんとゲームを研究すれば、気持ちのよい文化勝利を目指せるのかもしれません。
が、少なくとも、多都市の方が文化勝利に有利なバランスはどうにかしてほしかったと思います。

(誰でも編集できるページとはいえ、この点については攻略Wikiにも記載)

しばしば誤解されていることがあるが、Civ6の文化勝利は小国向けの手段ではない。知れば知るほど都市数や国力が物を言うことがわかるだろう。

RaF/攻略情報/勝利条件別/文化勝利 - Civilization6(Civ6 シヴィライゼーション6) 攻略Wiki


戦闘が長丁場になりやすい

戦争を始めると、一つの都市を占領するだけでも多くのターンが必要になります。

軍事ユニットは基本的に一つのマスへ一体しか配置できないため、地形や他のユニットに邪魔されて思うように移動できません。狭い場所ではユニット同士が詰まり、傷ついた部隊を後方へ下げて、別の部隊を前へ出すだけでも時間がかかります。遠くの都市を攻める場合は、軍隊を前線まで移動させるだけで何ターンも消費します。

また、本作は防壁の耐久力がかなり高く、戦闘力に差があったとしても、強いユニットで何度も攻撃しなければなりません。一つの都市を落とした後は部隊回復で数ターン待ってから、次の都市まで再び移動する必要があります。

一体の戦闘ユニットを生産するにも長いターンがかかるため、強い戦闘ユニットを次々と投入する物量作戦は困難です。
また、その間は他の区域や遺産を生産出来ないため、文化と言った内政に集中することは出来ず、不注意等で一体のユニットを失った時は精神的ダメージも含めて、かなり大きいです。

序盤ですら1つの戦闘ユニットを生産するのに5ターンくらいかかるので、もう少しユニットの生産コストを低くしても良かったんじゃないかと思います。

時代差によって戦闘の難易度が極端に変わる

ユニットの時代が少し違うだけで、戦力差が極端に広がることがあります。数ターン前まで互角に戦えていた相手でも、新しい遠距離ユニット・騎兵・航空機などを解放した途端、ほとんど歯が立たなくなることがあります。

反対に自分だけが新しい軍事技術を獲得すれば、それまで苦戦していた戦線を一気に押し進められます。都市の防御力も軍事技術の進歩によって強くなるため、少し前まで攻め落とせそうだった都市が急に非常に固くなることもあります。

ゲームシステム上、弱いユニットを大量生産して強いユニットに対抗することは難しく、研究で先に強力なユニットを解放することが、戦争の勝敗につながりやすいです。
1つ前の章で物量作戦は困難と言いましたが、そのことが一因になっていると思います。

ただ、ユニット増やすと全体的に処理が重くなってしまうので、単純に「ユニットコスト減らして、大量に出せるようにしました!」が解決にはならないのが厳しいですね。
個人的には各地で行われる戦闘アニメーションも好きなので、これをオミットしてしまうのももったいない気がします。

ゲーム後半のプレイ時間

都市やユニットが増えるほど管理が面倒になる

都市数が多いほど有利なため、終盤では多数の都市を管理することになります。各都市で建物やユニットの生産が終わるたびに、次に作るものを指定しなければなりません。勝利にほとんど影響しない都市であっても、毎回指示を求められます。

戦争中は、多数の軍事ユニットを一体ずつ動かします。終盤に大量のユニットを保有すると、戦略を考える時間よりも、単純な移動・回復・待機の指示に使う時間が増えていきます。

都市数が多いほど有利というゲームバランスと、都市を一つずつ管理しなければならない操作が合わさり、文明を拡大するほど作業量が増えます。


また、早ければ中盤辺りになると、文明同士の力関係が固まり、勝利への道筋もほぼ決まります。しかし、科学勝利では研究や宇宙開発プロジェクトの完了を待ち、文化勝利では観光客が必要数に到達するまでターンを進めなければならず、消化試合感があります。

逆に言えば、逆転要素はかなり少ないです。序盤の時点である程度勝ち筋が見えない場合は、AIの判断の甘さに期待して戦争で都市や資源を奪うか、ゲームを最初からやり直すしかないように感じます。

外交・AI

外交やAIの行動に納得できないことがある

各文明の指導者はアジェンダに従って、こちらを非難したり、友好的になったりします。お金を持っている文明を好む、戦争を好む文明を評価するといったものです。

ただし、機械的にアジェンダへ従うため、友好的に接していた文明が突然非難してきたり、大きな戦力差があるにも関わらず、宣戦布告してきたりすることがあります。


また、戦争では攻められているにもかかわらず、戦闘ユニットを生産せずに、他の区域を建設したりすることがあります。AIの軍事力が強く、こちらが防壁にてこずっている時はそのアホさに助かることが多いですが、なんとなくもどかしい感じがします。

都市をこちらの土地の近くにねじ込むことも含め、総じて「シヴィライゼーションあるある」というネタとしては楽しめますが、指導者が状況を判断しているというより設定された条件に機械的に反応しているように見えるため、もう少し工夫が欲しかったと思います。

DLC

本編に含まれていても良いシステムまでDLCになっている

大型DLCであるGSやNFPを導入すると、忠誠心・総督・時代スコア・自然災害・気候変動・世界会議などが追加されます。

特に「忠誠心」は他文明の領土近くへ無制限に都市を建てることを難しくする仕組みで、都市拡張や戦争のバランスへ大きな影響を与えます。こういったゲームの基本ルールに近い仕組みまで有料DLCに含まれています。

また、誤字・翻訳・説明文など、通常のアップデートで改善してほしい部分も、このDLCに含まれています。DLCの有無でプレイの快適さがかなり異なるため、DLCなしの本編は、どこか一部が不足しているように感じます。

解説動画とかはこのDLCを前提にしていることが多く、プレイのしやすさ含めて、本編だけ(DLCなし)はあまりお勧めできません。

ただ、念押ししておくと、DLCなしの本編が面白くないというわけではないです。
今フルプライスで買うのは絶対にやめた方が良いですが、セール等で数百円になっているなら、買う価値はあると思います。

総合評価

点数:10点中9点

ゲームシステムが非常によく練られており、基本的な仕組みを理解してからは、かなり面白いゲームでした。都市をどこに建てるか、何を研究するか、軍事力を高めるか、科学や文化を優先するかという選択が、何十ターンも先の状況へ影響します。

一方で、チュートリアルが短く、ゲームの基本方針や詳しい計算方法は十分に説明されません。区域配置では将来解放される施設まで想定する必要があり、一度建設すると修正できないため、初心者にはかなりハードルが高いです。

初心者への不親切さ、戦争へ偏りやすいバランス、長期化する戦闘、終盤の作業感、DLC前提の設計には不満があります。それでも、欠点を上回るだけの面白さ・ハマりやすさがあります。

かなり複雑なシステムを理解するという高いハードルを乗り越えられる忍耐力のある人・面白いストラテジーゲームを遊びたい人にはおすすめできる完成度の高いゲームでした。

イースIX -Monstrum NOX- レビュー・感想|謎は面白いが冒険感が物足りない

今回のレビューは
「イースIX -Monstrum NOX-」です。
www.falcom.co.jp


前作イースVIIIが非常に面白かったので、続けてプレイしました。
前作とはガラッと雰囲気が変わり、監獄都市を舞台にしたダークな世界観と随所にちりばめられた謎が引きの強い作品でした。
一方で、前作と比較するとどうしても気になる部分もいくつかありました。

本記事はゲームのネタバレありなのでご注意ください。

ゲームについて

本作は日本ファルコムが手がけるアクションRPG「イース」シリーズのナンバリング9作目です。

主人公のアドルが「監獄都市」と呼ばれる巨大な街「バルドゥーク」を訪れたところ、ロムン帝国に拘束され投獄されてしまいます。
脱獄を試みる中で謎の女性アプリリスと出会い、彼女の放った魔弾によって「怪人(モンストルム)」へと変身する能力を得るものの、同時に呪いによってバルドゥークの街から出られなくなってしまう。
怪人としての力「異能」を駆使しながら、他の怪人たちとともに監獄都市の謎に迫っていく…というのが大まかな流れです。

前作のセイレン島(無人島)から一転、今作は人々が暮らす都市が舞台になっています。

良かった点

監獄都市という独特の舞台

前作が無人島だったのに対して、今作は「監獄都市バルドゥーク」という、人々が行き交う巨大な街が舞台です。
貧民街や農耕区等の様々なエリアで構成されていて、その最奥に都市を象徴する監獄がそびえ立っています。

前作とはまったく雰囲気が違い、ダークでミステリアスな空気感が漂っています。
壁を駆け上がったり、高所から滑空したりといった異能アクションで街中を縦横無尽に移動できるのも楽しいです。
思わぬ場所に宝箱や収集物が隠されていたりして、ついつい寄り道してしまいます。

また、前作の無人島とは違い、街には多くの住民が暮らしているため、彼らとの交流が楽しめます。
住民の依頼(サブクエスト)を受注したり、各ショップで装備や素材、プレゼントを購入したりといった要素は街ならではです。
当然、ストーリー進行によって会話の内容が変わるので、そういった変化を楽しめます。

前作と変わらぬアクションシステム

バトルの基本システムは前作から引き続き、フラッシュムーブとフラッシュガードを軸にした爽快なアクションです。
敵の攻撃をギリギリで回避・ガードする気持ちよさは健在で、前作をプレイした人ならスムーズに馴染めると思います。

斬・打・射の三属性を使い分けるパーティ制も同様で、安心して楽しめます。
前作のアクションが好きだった人なら、基本的な部分での不満はほぼないはずです。

随所にちりばめられた謎

本作のストーリーは、序盤から多くの謎がちりばめられていて、先が気になる構成になっています。

中でも最大の謎は「囚人アドル」の存在です。
街で怪人として活動する怪人アドルとは別に、監獄の中に囚われた囚人アドルがいる。
「アドルが2人いるのはなぜなのか?」という疑問が物語を通じてずっと引っかかり続けます。

それ以外にも、怪人たちの正体や彼らが怪人にされた理由、アプリリスの目的、バルドゥークに隠された秘密など、次から次へと謎が提示されます。
各章ごとに怪人の一人にフォーカスが当たり、その背景が少しずつ明かされていく構成が上手くて、「次は何がわかるんだろう」というモチベーションが途切れませんでした。

不満点

監獄都市ゆえのスケールの狭さ

良かった点で挙げた「監獄都市」という舞台設定ですが、裏を返すとスケール感の狭さにも繋がっています。

前作では広大なセイレン島を自由に冒険できるワクワク感がありましたが、今作は基本的にバルドゥークの街の中だけで物語が進みます。
終盤になると街の外のフィールドも探索できるようになりますが、それまでは都市の中をぐるぐる回っている感覚がどうしてもあります。
また、前作は平地や海岸や水の中、洞窟や山などフィールドにバリエーションがあったのですが、今作は都市とその周辺の野原だけといった感じでバリエーションが乏しいです。

異能アクションによって縦方向の探索が加わったことで立体的な面白さはあるものの、前作の「次はどんな場所に行けるんだろう」という未知の土地を踏破していくワクワク感と比べると、やはり冒険の広がりという面では物足りなさを感じました。

また、ストーリーを進めるためにはNOXゲージを溜めて「グリムワルドの夜」を発生させる必要があるのですが、そのためには街中の瘴気に触れてラルヴァ(邪霊)との戦闘をこなさなければなりません。
クエストをこなせば自然とたまるようにはなっているものの、時々ゲージが溜まりきらず、雑魚専をこなす必要があるのはテンポが悪いと感じました。
「とにかくストーリーを進めたい」派にも優しくないかもしれません。

操作性の低下

前作と比べて、細かい操作性の面でストレスを感じる場面がいくつかありました。

特に気になったのがターゲットの切り替えです。
複数の敵がいる場面でロックオン対象を変えたい時にスムーズに切り替えられず、ロックオン解除→カメラ方向を変更→ロックオンし直す、という面倒な操作が必要になります。
特にボスと雑魚敵が同時に出てくるときなどは非常にわずらわしく感じました。
前作ではここまでストレスを感じなかったので、余計に気になります。

また、戦闘中のエフェクトが全体的に派手すぎて、画面がごちゃごちゃして何が起きているのかわかりにくい場面がありました。
特にグリムワルドの夜では大量の敵が出現するため、スキルのエフェクトや敵の攻撃が重なって視認性がかなり悪くなります。
「いつの間にか攻撃を食らっていた」「どの敵が何をしているのかわからない」ということが度々起こり、フラッシュムーブで見切って回避するという本作の楽しさが活かしきれていないと感じました。

冒険具の削除と異能アクションによる冒険感の低下

前作は、ストーリーを進めると「冒険具」と呼ばれるアイテムが手に入り、二段ジャンプや水中呼吸といった新しいアクションが解放されました。
新しい冒険具を手に入れるたびに行ける場所が広がり、「あの時行けなかった場所に行けるようになった!」というワクワク感がありました。

今作ではこの冒険具が廃止され、代わりに怪人たちの「異能」が探索の手段になっています。
壁を駆け上がるヘヴンズラン、空を滑空するハンターグライド、瞬間移動のクリムゾンライン…
異能自体は楽しいのですが、隠し部屋や宝箱が見つかる程度で、新たな場所を切り拓いていく冒険の楽しみには繋がりません。
結局は同じ街の中を探索していることも、冒険感の薄れに拍車をかけています。
「監獄都市ゆえのスケールの狭さ」の章でも述べましたが、「冒険」という期待していたハードルに対して、監獄都市という舞台設定が足を引っ張ってしまっている印象です。

EXTRAスキル発動時の一枚絵がない

前作では、EXTRAスキル(必殺技)を発動するとカッコいい一枚絵のカットインが入りました。
これが地味に好きだったのですが、今作ではこのカットインが廃止されています。

ゲーム全体の面白さを左右するほどの要素ではないですが、前作で「いいな」と思っていた演出がなくなっているのは純粋に残念でした。

動作の重さと不具合(Switch版)

私はSwitch版でプレイしたのですが、動作がかなり重くカクつく場面が多かったです。
特に街中を移動している時や敵が多数出現する場面でフレームレートの低下が目立ちました。前作よりも1マップあたりの規模が広がったことが影響しているのかもしれません。

前作(イースVIII)もPS4版とSwitch版の両方でプレイしていますが、あちらではここまでのカクつきは感じなかったので、今作は処理負荷が上がっているのだと思います。
PS4版やPC版であればもう少し快適なのかもしれませんが、Switch版でプレイする場合は覚悟しておいたほうがいいかもしれません。

また、敵が水中や地形の外に落ちて倒せなくなったり、挙動がおかしくなるといった不具合にも何度か遭遇しました。
ゲームが進行不能になるほどの致命的なものではなかったですが、地味にストレスが溜まります。

謎が何となく予測できてしまう

良かった点で「随所にちりばめられた謎」を挙げましたが、その謎の答えがある程度予測できてしまうのは少し惜しいと感じました。

たとえば「囚人アドル」の正体については、黒髪のアドルと赤毛のアドルが同時に存在するという時点で何となくの検討がついてしまいます。
実際、物語を進めていくと予想した方向に着地するので、「やっぱりそうか」という納得感はあるものの、驚きという意味では弱いです。

もちろん丁寧に伏線を張っているからこそ推測できるわけで、伏線回収自体は綺麗にまとまっています。
ただ、真相が明かされる頃にはすでに答え合わせのような気持ちになってしまい、「やっぱりそうか」という納得感はあっても、驚きとしては物足りなさが残りました。

感銘を受けるほどのどんでん返しを期待していたわけではありませんが、もう一段階予想を裏切るような仕掛けがあれば、ストーリーの満足度はさらに高まったのではないかと思います。

総合評価

点数:10点中7点

監獄都市という異色の舞台設定・随所にちりばめられた謎・前作譲りの爽快なアクション。
面白い作品ではあるのですが、前作と比べてしまうとどうしても気になる部分が多いというのが正直な感想です。

スケール感の狭さ・冒険感の低下・Switch版の動作の重さなど・一つ一つは致命的ではないものの、積み重なるとじわじわと評価に響いてきます。
前作の冒険感やスケール感に期待して本作をプレイすると、肩透かしを食らうかもしれません。

とはいえ、ストーリーの引きの強さやアクションの楽しさはしっかり健在ですし、怪人たちのキャラクターも魅力的です。
前作とは方向性が違うだけで、これはこれで楽しめる作品でした。

前作が良すぎたという面もありますが、やはり冒険家アドルの「冒険」を楽しみたい身としては、もう少し頑張ってほしかったなというのが本音です。

イースVIII -Lacrimosa of DANA- レビュー・感想|シリーズ初心者でもハマった爽快アクションRPG

今回のレビューは
「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」です。
www.falcom.co.jp


結論から言うと、本ゲームはめちゃくちゃ面白く、自分の感性に刺さりました。
PS4で買ったんですが、またやりたくなったので、セール時にSwitchでダウンロード版を再購入したくらいです。

本記事はゲームのネタバレありなのでご注意ください。

ゲームについて

本作は日本ファルコムが手がけるアクションRPG「イース」シリーズのナンバリング8作目です。

主人公のアドルが乗っていた客船が巨大な海洋生物に襲われ、呪われた島「セイレン島」に漂着するところから物語がスタートします。
島で散り散りになった漂流者たちを見つけて拠点に連れ帰りつつ、島を探索して脱出の道を探していく…というのが大まかな流れです。

シリーズ未経験でもまったく問題なく楽しめました。
※過去作のキャラは主人公のアドルとその相棒であるドギくらいで、「アドルとドギはこれまでのシリーズで色々な冒険をしてきたんだな」程度の理解で十分だと思います(多分)。

良かった点

アクションの爽快さ

本作は2つのアクション、「フラッシュムーブ」と「フラッシュガード」が非常に爽快なのが特徴です。
フラッシュムーブは敵の攻撃に合わせてタイミングよく回避すると発動するシステムで、成功すると一定時間、周囲がスローモーション&無敵状態になります。
大振りの攻撃をギリギリでかわして、一気にスキルを叩き込むのが本当に爽快です。
フラッシュガードも同様で、寸前でガードすると一定時間クリティカルが確定するという仕組みです。
ボス戦ではこの「フラッシュムーブ」と「フラッシュガード」を駆使しながら戦うことになります。
アイテムによって、フラッシュムーブの受付時間を延ばしたり、フラッシュガードで増えるEXTRAゲージ(必殺技ゲージ)を増やしたりもできます。

パーティメンバーの切り替えもスムーズで、斬・打・射の三属性を敵に合わせて使い分ける戦略性もあります。
操作していないパーティメンバーも一緒に戦ってくれる上、パーティメンバーは大ダメージを受けない仕様なので、緊急時にはメンバーを切り替えながら戦うことで長期戦も可能になります。

また、EXTRAスキル発動時の1枚絵や立ち絵がちゃんとカッコ良いのも地味に嬉しいポイントです。
なんで次作では削除したんですか

丁度良いアクション難易度

本作は難易度のバランスがかなり上手く調整されていると感じました。

雑魚戦はスキルや弱点を突くなどしてサクサク進められますが、油断したり防具を更新し忘れたりしていると思わぬダメージを食らいます。
「簡単すぎず、かといって理不尽でもない」という絶妙なラインです。

ボス戦になると難易度がグッと上がりますが、攻撃パターンを観察してフラッシュムーブのタイミングを覚えていけば、ちゃんと勝てるようになっています。

難易度選択もあるので、アクションが苦手な人はイージーに、やり応えが欲しい人はノーマルやそれ以上の難易度にできるようになっています。

防衛戦が楽しい

本作にはストーリーの要所で発生する「防衛戦」というイベントバトルがあります。
漂流村に押し寄せてくる大量の敵から拠点を守るタワーディフェンス的なバトルで、逆にこちらから攻め込む「殲滅戦」もあります。

スキルという形ではありますが、集めた仲間たちがNPCとして戦ってくれるので、仲間を集めてきた意味をゲームプレイ面でもしっかり感じられるのが良い。
バリケードや罠を設置して備える要素もあって、通常のアクションとはまた違った楽しさがあります。
敵がどんどん押し寄せてくる緊迫感の中、フラッシュムーブで切り抜けて一掃する爽快感は格別です。

ストーリーの重要な局面で発生するので、「ここは絶対守り抜くぞ」という気持ちが自然と乗ってきます。
通常の探索やボス戦とは違う楽しみがあり、ゲーム全体にいいアクセントを加えていると感じました。

引き込まれるストーリー

本作のストーリーは大きく二つの軸があります。
アドルたちの「セイレン島でのサバイバルと冒険」と、夢を通じて描かれる「ダーナの物語」です。
この二つが交互に進みながら次第に交差していく構成で、先が気になって全然手が止まりませんでした。

無人島での冒険がとにかく楽しい

無人島を舞台にした冒険のワクワク感が圧倒的でした。
セイレン島は危険な生物がうろつく島ですが、同時に太古の時代を思わせる美しい自然に溢れた魅力的なフィールドでもあります。
海岸、密林、山岳、洞窟、遺跡…探索するたびに新しい景色が広がるので、「次はどこに行けるんだろう」という期待感がずっと途切れません。

漂流者を見つけて拠点「漂流村」に連れ帰るシステムも良かったです。
仲間が増えるたびに村が賑わって、新しい施設ができて、進める場所が増えていく。
ストーリー的な意味だけじゃなく、ゲームプレイとしても「仲間を集める」ことに意味があるのが上手いなと思いました。

漂流者たちもそれぞれキャラが立っていて、クエストやストーリーを通じて、どんなキャラかわかっていく展開も非常に楽しいです。
(好きすぎて次回作も無人島に遭難してくれねえかなあと思うくらい<)

ダーナの謎に引き込まれる

もう一つの軸であるダーナのパートも非常に良かったです。
アドルが夢の中で体験する古代の世界と、そこで暮らす青髪の少女ダーナ。
最初は「この夢は何なんだ?」「ダーナって一体誰なんだ?」という疑問から始まるんですが、物語が進むにつれて彼女の境遇や使命が明らかになっていきます。

現代(アドル側)と古代(ダーナ側)で起きた出来事が互いに影響し合う仕掛けも面白くて、ダーナ側でやったことがアドル側のフィールドに変化を与える場面や、ダーナを見つけ出すシーンはワクワクしました。

不満点

無人島の冒険が世界規模の話にまで発展してしまう

本作で一番引っかかったのが、終盤のストーリー展開です。

序盤から中盤にかけて丁寧に積み上げてきた「無人島でのサバイバルと冒険」が、終盤に入ると急に「世界の滅亡をかけた戦い」にまでスケールが跳ね上がります。

伏線は張られていましたし、物語として破綻しているわけではありません。
ただ、個人的に無人島の冒険という「地に足のついたワクワク感」がものすごく好きだっただけに、急に「世界の命運」「種の存亡」みたいな話になると、ちょっと気持ちが置いていかれた感覚がありました。

「目の前の島を探索して、仲間を集めて、少しずつ拠点を築いていく」という島内で完結する物語に魅力を感じていたんですよね。
それだけに、最終的にJRPG的な世界の危機に行き着いたのは安直というか、ちょっと肩透かし感がありました。
普通に島が滅亡の危機にあるとかで良かったのに…

クライマックス自体は感動的でしたし、EDで各メンバーが無事帰還した後を描いた1枚絵には感動しました。
ただ、もう少し「セイレン島」という場所にフォーカスしたまま物語を畳んでくれていたら、もっと好きになれたと思います。
※あくまで個人の好みの問題です。

3Dモデルがところどころで残念

本作は立ち絵のクオリティが非常に高くて、キャラの魅力が十分に引き出されています。
アドルもダーナもパーティメンバーも漂流者たちも、2Dイラストはどれも良い。
だからこそ、3Dモデルの粗がどうしても目についてしまいます。

特に感情的に重要なシーンで3Dモデルが使われている時に、表情の硬さやモーションのぎこちなさが気になって、せっかくの場面に没入しきれないことがありました。

私はあまり3Dモデルやグラフィックを気にしないほうですし、ゲーム全体の面白さを損なうほどの問題ではありません。
ただ、2Dの立ち絵が良い出来だからこそ、その落差で3Dモデルの粗が目立ってしまうのが少し気になってしまいました。

総合評価

点数:10点中9点

ストーリーもアクションもかなり好きなゲームです。
フラッシュムーブ・フラッシュガードの爽快感、丁寧に調整された難易度、無人島という魅力的な舞台、二つの時代が交差する物語。
どの要素を取っても高水準にまとまっていて、何十時間もプレイして「面白かった」と素直に言える作品でした。
人によっては本作を最高傑作と呼ぶ人もいるようですが、その評価も納得の一作です。

最後の最後で世界の滅亡をかけた展開になるのが個人的には好みじゃなかったのと、3Dモデルの粗さは気になりましたが、それを差し引いても余りある面白さです。

イースシリーズはこれが初めてでしたが、他のシリーズもやってみたいと思えるくらい良い作品でした。
アクションRPGが好きな人はもちろん、無人島・サバイバル系の冒険にワクワクする人や、ストーリー重視のARPGを探している人にも自信を持っておすすめできます。

投機で生活していくにはどのくらい必要なのかを調べてみた

ピンポイントで知りたい情報がネット上に載っていなかったので、メモ的に書きます。
Claude使って、私がアイディア出しや議論をしながらまとめました。

背景

私は最近、仮想通貨の自動売買をAIにやらせていますが、記事書いている時点でもうまくいっていません。
physx.hatenablog.com


ただ、仮に利益が出せるようになったとして、その目標値は気になるところです。
1日どのくらい稼げばよいのか、1週間なら?1ヶ月なら?1年なら?
ネットに転がっているのは数万円程度の副業ベースだったり、かなり無理ある計算だったり(1億あれば1%で十分です!とか)であまり参考にならないので腰を入れて調べてみることにしました。
自分のメモ用です。

ちなみに本記事では「投資」と「投機」の違いについて、

  • 1ヶ月以上の長期を見据えた取引→投資
  • 1ヶ月未満の短期を見据えた取引→投機

と定義します。

単純計算してみる

まずはかなり単純な条件で目標を設定してみます。

  • 手取りで月30万円を稼ぐ(税引前だと月約37.5万円を稼ぐ)
  • 年240日(平日のみ)

つまり年収400万ちょいの想定です。元手が500万円の時と1000万円の時で計算します。

元手500万円の場合

期間 必要利益(税引前) 必要リターン
1日(年240日) 18,750円 0.375%
1週間 93,750円 1.875%
1ヶ月 375,000円 7.5%
1年 4,500,000円 90%


元手1,000万円の場合

期間 必要利益(税引前) 必要リターン
1日(年240日) 18,750円 0.1875%
1週間 93,750円 0.9375%
1ヶ月 375,000円 3.75%
1年 4,500,000円 45%


年利ベースだと45%や90%という数字がでてきましたが、これはどのくらい難しいのでしょうか。
一般的な投資信託の利回りを調べてみました。
コラム記事:マネフィットではじめる金銭信託:三菱UFJ信託銀行

【投資信託の平均利回り(目安)】
・海外株式:7%前後
・国内株式:5%前後
・海外債券:3%前後
・国内債券:1%前後

証券会社のサイトで投資信託の実績を調べてみましたが、高いところでも50%、当然マイナスになっているものもあったりして、選定がかなり難しそうです。
少なくとも、ローリスクローリターンで人に頼って儲けることは難しそうです。
みんなで大家さんやトケマッチですら10%だし

生活費ではなく「元手1000万円で1年後にどれだけ稼げるか」だと以下の通り。

平均年利 平均週利 平均日利 実現性 1年後金額 年間利益
+7.8% +0.15% +0.03% S&P500の長期平均。インデックス投資で達成可能 約1,078万円 +78万円
+13.2% +0.24% +0.05% ヘッジファンド業界が好調な年に出す平均(12.6%)。アクティブ運用の上位30〜40% 約1,132万円 +132万円
+28.4% +0.46% +0.10% ヘッジファンド上位10%。個人トレーダーの上位5〜10% 約1,284万円 +284万円
+45.0% +0.72% +0.15% アジアのトップファンドが好調年に出す水準(35〜41%)。個人トレーダーの上位3〜5% 約1,450万円 +450万円
+64.8% +0.96% +0.20% トップファンドを大幅に超える。個人トレーダーの上位1〜2% 約1,648万円 +648万円
+115.7% +1.39% +0.30% セクター特化ファンドがバブル年に出す水準。個人では上位0.5%以下 約2,157万円 +1,157万円
+152.3% +1.59% +0.35% レバレッジ型を除くとほぼ存在しない。上位0.1%以下 約2,523万円 +1,523万円

年利45%は個人トレーダーの上位3%~5%ということで個人トレーダーの20~30人に1人いる程度。
うーん、かなり難しそうですね。

ここでは投資信託との比較のために年利の値を使いましたが、投資ではなく投機で考えるため、次は
「元手1000万かつ株・FX・仮想通貨で1週間で1%の利益を現実的に出せるか」
を考えてみます。

株・仮想通貨・FXで考えてみる

「1週間で元手の1%」を稼げるかどうかは、結局のところ各市場が1日・1週間でどのくらい動くかに依存します。
値動きがなければ利益の取りようがないので、まず各市場の実際の変動幅を確認します。

Bitcoin Volatility Index - Charts vs Dollar & More
このサイトによると、ビットコインの1日の変動率(ボラティリティ)は約2〜4%です。
金が約1.2%、主要な法定通貨(ドル円など)が0.5〜1.0%、日本の個別株はものによりますが、だいたい1〜3%くらいで動いていました。

市場 1日の平均変動幅 1週間の想定変動幅
日本個別株 1〜3% 2〜7%
仮想通貨(BTC) 2〜4% 5〜15%
FX(ドル円) 0.5〜1.0% 1〜3%

ただし、この変動幅は「上にも下にも動く幅」なので、丸ごと利益にはできません。
では元手1,000万で週1%(10万円)を稼ぐには、変動幅のうち何%を取ればいいのか。

市場 週の変動幅(中央値) 必要な利益1% 変動のうち取る必要がある割合
日本個別株 約4% 1% 25%
仮想通貨(BTC) 約8% 1% 12.5%
FX(ドル円、レバなし) 約1.5% 1% 67%
FX(ドル円、レバ10倍) 約15%(実効) 1% 6.7%

仮想通貨は週8%動くうちの1%を取ればいいので、12.5%のキャプチャで済みます。
FXはレバレッジなしだと変動幅の67%を取る必要があるのでほぼ不可能。レバ10倍なら6.7%で済みますが、損失も10倍です。
株は変動幅の25%と比較的良い気がしますが、種類が多すぎます。ある銘柄が一日に4%上下したからと言って、その翌日も4%上下するとは限らないですし。

このように数字だけ見ると「仮想通貨なら変動の12.5%でいいなら、いけるのでは?」という気がしてきます。
ただ、「変動幅の12.5%を取る」は簡単ではないです。

まず方向を当てる必要があります。「今週BTCは8%動きます」とわかっていても、上に8%なのか下に8%なのかはわかりません。
間違えたら変動幅がそのまま損失になってしまいます。

次に、仮に方向があっていても値動きはジグザグします。
800万→780万→820万→790万→850万→830万→870万のように動くので、「800万で買って870万で売る」は結果論です。
途中の780万の時点で損切りしてしまうかもしれないし、820万で利確してしまうかもしれません。

仮想通貨は変動幅が大きいとはいえ、変動がないヨコヨコの動きになるときも結構な頻度であるので、プレッシャーによる塩漬けや間違った判断があることを考えると、かなり肝の座った人か余裕がある人でないと厳しいでしょう。


もう少し詳しく、実際に週1%以上を出せている人がどのくらいいるのかを数値で見てみます。
週次の情報があまりなかったので、年利で見てみましょう。
まずは、一般も含めた口座資産から。
FX取引で勝率が高い人の3つの特徴|勝っている人のデータやポイントを解説 | OANDA FX/CFD Lab-education(オアンダ ラボ)

口座資産評価額が前月比で増加したアカウントは約36%

月単位で見ても6割以上がマイナスです。

プロのヘッジファンドはどうかというと、業界平均は手数料控除後で年4〜8%のようです。
ヘッジファンドの利回りはどの程度期待できますか?

代表的な業界指標であるHFRI指数(ヘッジファンド全体の平均利回り)の過去10年の実績を見ると、年間の平均リターンは手数料控除後で約4〜8%の範囲が一般的です。

また、業界全体で約12.6%という値が「16年ぶりの高水準」としてニュースになるレベルでした。
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-14/T8SULXKIJH9600

まとめると以下の通り。

運用主体 年利
ヘッジファンド業界平均(HFRI指数) 4〜8%
好調な年の業界平均(2025年、16年ぶり) 約12.6%
アジアのトップファンド(2024年、ニュースになるレベル) 35〜41%

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-01-23/SQILJ9T0G1KW00

元手1,000万で週1%は年利約52%なので、トップファンドが好調な年に叩き出す数字を超えています。
本数値は基本的にFXの値ではありますが、「コンスタントに高い利益を出す」のはプロでも困難だということです。

よって、単純に「上がると思ったら買う、下がると思ったら売る」を繰り返して週1%を安定して出すのは、方向の予測精度とタイミングの問題で難しい、ということがわかりました。

スイングトレードやリスクリワードなら?

もう少し長い時間軸で構えるスイングトレードと損切ラインと利確ラインの率を変えるリスクリワードを組み合わせるのはどうでしょうか。

例えば、元手1,000万を5銘柄に200万円ずつ分散して、週1回エントリーする場合を考えます。

5銘柄中の勝ち数 勝ち銘柄の利確 負け銘柄の損切り 週間損益 年間換算
3勝2敗 +3% -2% +50,000円 +260万円
3勝2敗 +5% -2% +110,000円 +572万円
2勝3敗 +5% -2% +40,000円 +208万円
2勝3敗 +3% -2% ±0円 ±0円

ここで重要なのは、5銘柄中2勝3敗(勝率40%)でも、利確幅が損切り幅の2.5倍あればプラスになるということです。
逆に3勝2敗(勝率60%)でも利確と損切りが同じ幅だと大して儲かりません。
つまり勝率よりリスクリワード比のほうが重要です。


…スイングトレード関係なくね?デイトレードでもいいんじゃね?
元手1,000万で日次+0.1875%(18,750円)を出すパターンを整理します。

勝率 利確幅 損切り幅 リスクリワード比
55% +0.5% -0.4% 1.25:1
50% +0.6% -0.4% 1.5:1
45% +0.7% -0.4% 1.75:1
40% +0.9% -0.4% 2.25:1

勝率40%でもリスクリワード2.25:1なら成立するようです。
「たくさん当てる」より「当たったときに大きく取って、外れたときに小さく負ける」ほうが重要ということです。

ちなみに、ここで「買いと売りを同時に入れて(いわゆる両建て)、利確幅を損切り幅より大きくすれば必ず勝てるのでは?」と思って、ドヤ顔しながらClaudeに相談してみましたが、これは成立しないようです。

利確3%・損切り2%で両建てした場合、一方向に動けば+1万ですが、レンジ相場で往復すると両方損切りされて-4万です。
損益分岐には勝ちパターンが80%以上必要ですが、現実には仮想通貨ですらヨコヨコ相場が5割以上らしいので難しそうです。

結局のところ、スイングトレードでもデイトレでも、リスクリワード比を2:1以上に保てるかどうかが分かれ目です。
これができれば勝率40%でも利益が出ますし、できなければ勝率60%でも負けるようです。

まとめ

元手1000万で1年の生活費450万円を稼ぐためには、

  • 年利45%(週次0.9375%・日次+0.1875%)
  • リスクリワード比で機械的に取引するなら、仮想通貨が一番チャンスがありそう

ということです。


ただし年利45%(週次0.9375%・日次+0.1875%)は世界トップのファンドを超える水準なので、再現性は低いです。ただ、仮想通貨は年中取引できるので、もう少しハードルは下がるかもしれませんが、それでもかなり高い水準だと思います。

元手を増やせば相対的に目標利回りが下がるのでかなり楽にはなりますが、そもそも元手を増やすこと自体がかなり難しい…
だから、私のような貧乏人は一発逆転を狙ってレバレッジをかけたギャンブルに行ってしまうんですね…

AIで自動的に毎週1%出してくれるならなあ…
記事書いている時点の戦績では難しそうです。